ISO14001とは:「1.適用範囲」をやさしく解説!小さな会社にも導入できる理由とは?
「ISO14001は大企業だけのものでは?」
「ウチみたいな町工場には関係ないのでは?」
そんな声をよく耳にします。しかし、実はISO14001は業種や規模を問わず、あらゆる組織に適用できる国際規格です。
この記事では、ISO14001の冒頭に記載されている「1.適用範囲」の内容を、わかりやすく解説します。環境マネジメントを始めたい中小企業や自治体、サービス業の方にも参考になる内容です。
■ ISO14001の「適用範囲」とは?
ISO14001の第1章「適用範囲」では、この規格がどんな組織に向けたもので、どのような目的で使われるのかが説明されています。ポイントは以下の3点です。
1. 環境マネジメントシステム(EMS)のための規格
ISO14001は、企業や団体が環境にやさしい経営を実現するための仕組み(環境マネジメントシステム:EMS)をつくり、継続的に改善していくための基準を示したものです。
たとえば…
- 電力の無駄を減らす
- 廃棄物をリサイクルする
- 環境に悪影響を与えない製造方法に変える
といった活動を計画的かつ効果的に行うための仕組みづくりをサポートします。
2. あらゆる組織に対応!業種や規模を問わない
この規格は、製造業だけでなく、以下のような組織にも適用可能です。
- 建設業、物流業、飲食業などのサービス業
- 市役所、病院、学校といった公共機関
- 家族経営の小さな町工場や個人事業
つまり、どんな業種・どんな規模の組織でも「環境に配慮した仕組み」を構築できるという点が、この規格の大きな特徴です。
3. 目的は「環境パフォーマンスの向上」
ISO14001の導入目的は以下の通りです。
- 環境パフォーマンスの向上
CO₂の排出量削減や水の使用量削減など、環境に与える負荷を継続的に減らす取り組みを促進します。
- 法令・規制の順守
産業廃棄物の処理や排水基準など、環境関連の法律や条例を守るための仕組みを整えます。
- 環境リスクへの対応
油の流出、薬品の漏洩など「もしも」に備えた緊急対応の手順もマネジメントの一部として管理します。
■ 導入事例:町工場でも効果を発揮!
たとえば、ある金属加工の町工場(従業員20名)は、地域住民から「廃油のにおいが気になる」「作業音が大きい」といった苦情を受けていました。
ISO14001を導入することで、以下のような改善を実現しました。
- 廃油は専門業者に定期回収を依頼し、処理記録も整備
- 騒音源の機械に防音カバーを設置
- 社員全員で月に1回の周辺清掃を実施
その結果、地域との信頼関係が向上し、従業員の意識も高まったといいます。
■ まとめ|ISO14001は誰にでも使える“環境の道しるべ”
ISO14001の「適用範囲」は、「この規格は誰のために、何のためにあるのか?」を示すものです。
✅ 環境に配慮した経営をしたいすべての組織が対象
✅ 小さな企業でも、サービス業でも、導入OK
✅ 環境改善、法令順守、リスク対策が目的
これから環境経営を始めたいとお考えの方は、まず「適用範囲」を理解することがスタートラインです。
「うちは小さいから関係ない」と思わず、一歩を踏み出してみませんか?
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