中小企業でもすぐに使える!ISO9001 内部監査チェックリストの作り方と活用法
1. なぜ「チェックリスト」が重要なのか?
「内部監査は予定通り終わりました。指摘はゼロでした。」
このような報告を受けて、「よかった」と安心してしまう企業が少なくありません。しかし、これは本当に良い監査だったのでしょうか?
ISO9001の内部監査の本来の目的は、「仕組みがISOの要求事項に適合しているかどうか」を確認し、継続的改善につなげることにあります。ただ「書類が揃っているか」を確認するだけでは、企業にとって価値ある監査とは言えません。
とくに中小企業では、限られた人員で運用していることが多いため、実用性が高く、無駄のない内部監査が求められます。そのための鍵となるのが、「チェックリストの工夫」です。
2. ISO9001の内部監査とは?
ISO9001における内部監査は、組織が自らの品質マネジメントシステム(QMS)を点検するプロセスです。審査員による外部審査とは異なり、自社内で行う自律的な監査です。
🔹目的
- ISO9001の要求事項に対して適合しているかどうか
- 仕組みが有効に運用されているかどうか
- 改善の機会がないかを探る
🔹監査対象の例
- 品質方針や目標の管理
- 顧客要求事項の把握・レビュー
- 購買・外注先管理
- クレーム・不適合の処理と是正
とくに中小企業では、実務者が多くの業務を兼任しているため、「何をどこまで聞けばよいのか」が明確になっていないと、監査そのものが形骸化しやすくなります。
3. 内部監査チェックリストの作り方【5ステップ】
それでは、実用性のあるチェックリストの作り方を、5つのステップに分けてご紹介します。
ステップ①:対象業務・工程を明確にする
まず、どの部門・どの業務を監査対象とするのかを決めます。製造部門・営業部門・品質管理など、業務プロセスごとに区切って検討します。
ステップ②:ISOの要求事項とひも付ける
対象業務に関連するISO9001の要求事項を洗い出します。たとえば、「外注管理」を監査するなら「8.4 外部提供者の管理」が該当します。
ステップ③:質問項目を具体的に書く
単に「要求事項は守られていますか?」ではなく、
- 「外注先の評価記録は最新ですか?」
- 「評価基準は明確に定められていますか?」
といった、具体的で答えやすい質問にしましょう。
ステップ④:記録欄や観察ポイントを設ける
現地確認で得られた情報や、担当者の説明を書き込む欄を設けましょう。監査の“証拠”となる記録が残り、後の見直しや是正にも役立ちます。
ステップ⑤:過去の課題や苦情から反映する
過去の不適合やクレームに関連する事項を、チェックリストにあらかじめ盛り込むことで、予防的な監査になります。
4. 【事例紹介】中小製造業A社の改善事例
ある中小製造業(社員数30名)では、以前まで、他社のフォーマットをそのまま使ったチェックリストを使っていました。その結果、「ISO用語ばかりで読みにくい」「現場で何を確認すべきかわからない」といった声が続出。
そこで、令和グループの支援により、以下の改善を行いました:
- 各部門ごとに、実際の業務フローに沿った構成へ変更
- 質問項目を「○○しているか?」→「○○の記録はどこにあるか?」のように行動ベースに変換
- チェックリストに「観察項目」「改善提案欄」を追加し、業務改善へのヒントを促す設計に
この改善により、内部監査から具体的な改善点が多く見つかるようになり、監査後の「改善会議」が活性化されました。
5. よくある質問(FAQ)
Q1:チェックリストに決まった形式はありますか?
→ いいえ。ISO9001にはチェックリストの形式指定はありません。自社が使いやすい形にするのが正解です。
Q2:コンサルタントにチェックリスト作成を依頼するのはOK?
→ はい。外部の視点を取り入れることで、「抜け」が少なくなり、初期運用もスムーズになります。
Q3:文書量が多くて現場が疲弊しています…
→ 「令和グループ」では最小限の書類で最大の効果を得る“シンプルISO”を提案しています。現場負担を減らす設計支援が可能です。
6. 令和グループの支援:シンプルで実用的な監査体制を
「内部監査をもっと実用的にしたい」「どこまでやれば十分なのか分からない」——
そんな悩みを持つ中小企業様には、令和グループの【無料の一日診断】をおすすめしています。
現場の状況をヒアリングし、貴社オリジナルの監査チェックリスト案をその場でご提案します。内部監査員教育や、監査後の報告書テンプレートなども一括でご提供可能です。
無料の「一日診断」については、下記ブログを参照してください。
7.「内濡監査員教育」をお考えの組織様へ
令和グループでは、効果的な内部監査員教育を行っています。詳細は、ここをクリックしてください。
8. まとめ
- 内部監査は「チェックリストの質」で効果が決まります。
- 中小企業に合った実用的な監査手法が、日々の改善文化を育てます。
- シンプルで続けやすい仕組みを構築するなら、専門家の支援が有効です。
実務で使えるチェックリストを今すぐ見直したい方は、お気軽にご相談ください。
令和グループでは「現場で役立つISO」の運用支援を専門としています。
ご質問、お問い合わせは、下記フォームよりお気軽に!!
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