令和グループ(ISOコンサルティング)

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

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規格の要求事項

 

品質マネジメントシステム

 

顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する組織の能力に影響又は潜在的影響を与える「品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者」及び「その要求事項」を明確にし、監視・レビューすることを求めています。

 

環境マネジメントシステム

 

「環境マネジメントシステムに関連する利害関係者」、「それらの関連するニーズ及び期待(すなわち,要求事項)」及び「それらのニーズ及び期待のうち,組織の順守義務となるもの」を決定することを求めています。

 

利害関係者とは

 

付属書SLには、「利害関係者(interested party)(推奨用語)」、「ステークホルダー(stakeholder)(許容用語)」とあります。そして利害関係者とは「ある決定若しくは活動に影響を与えうるか、その影響を受けうるか、またはその影響を受けると認識している、個人または組織」とあります。ISO3100(リスクマネジメント)、ISO39001(道路交通マネジメントシステム)、ISO26000(社会的責任に関する手引)では、ステークホルダーが使われています。「利害関係者」と「ステークホルダー」の二つの用語は同じ概念を表します。

 

また、「利害関係者のニーズ及び期待の理解」に関する「共通事項」の意図は、マネジメントシステムに適用される、関連する利害関係者のニーズ及び期待を、高いレベルで(戦略的に)理解することであり、「経営レベルの意思決定において」という趣旨です。

 

品質マネジメントシステムにおける「密接に関連する利害関係者」

 

そのニーズ及び期待が満たされない場合に、組織の持続可能性に重大な影響を与える利害関係者であり、直接の顧客、エンドユーザー、規制当局、社会、調達先・外部委託先等のパートナー、従業員、組織の所有者や資金の出資者、近隣の住民などが考えられます。

更に「密接に関連する利害関係者」を幅広くとらえ、例えば直接の顧客だけではなく、顧客の先の消費者までを含めて見る方が真に顧客が要求している品質に近づくことになります。

「密接に関連する利害関係者の要求事項」としては、雇用関係の確保、生産者と供給者の共存共栄、良好な環境の確保、製造に関わる条例の順守、納税、衛生法の順守、従業員の安全、衛生の確保などが挙げられます。

 

環境マネジメントシステムにおける「利害関係者」

 

環境マネジメントシステムでは、利害関係者を「環境マネジメントシステムに関連する」としています。それらのニーズ及び期待、そのうち「組織の順守義務」となるものを決定することを求めています。

 

監視・レビューについて

 

「利害関係者のニーズ及び期待」は、4.2で決定され、9.1.1(監視、測定、分析及び評価)に従って監視され、9.3(マネジメントレビュー)の「利害関係者」に関する要求事項ついてレビューされる、いわゆる「利害関係者のニーズ及び期待」に関するPDCAを回すことにより、品質マネジメントシステムの有効性の継続的改善を図ることに結びつきます。

 

規格要求事項の箇条間のインターフェースとしてみると、利害関係者のニーズと期待の理解には、利害関係者とのコミュニケーションが不可欠であり、このため4.2で規定される要求事項は、7.4(コミュニケーション)の要求事項と併せて、利害関係者のニーズと期待が決定される「プロセス」が必要となります。

 

また、事業活動として実施されている「ガバナンス、内部統制、コンプライアンス」とも一体化した取組みが有効と考えられます。

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