令和グループ(ISOコンサルティング)

ISO9001導入の流れと準備|中小企業が最初にやるべきこと〜失敗しないための基本ステップと現場主導の進め方〜02

 

「ISO導入って何から始めたらいいの?」という方へ

 

ISO9001を導入したい、あるいは導入するよう社内で求められている。でも…

  • 「具体的にどんな準備が必要かわからない」
  • 「小さい会社でも本当に導入できるの?」
  • 「難しいことばかりで、現場がついてこれるか不安」

こんな悩みをお持ちではないでしょうか?

 

ISO9001の導入は決して特別なものではなく、どんな企業でも“自社のやり方”に合わせて進めることが可能です。

 

この記事では、中小製造業がISO9001を導入する際に知っておくべき基本の流れと、最初にやるべき準備についてわかりやすく解説します。

 

 

1.    ISO9001導入の全体スケジュールをざっくり把握しよう

 

ISO9001の取得には、だいたい6か月から1年程度かかることが一般的です。もちろん、企業の規模や状況、支援の有無によっても変動します。

🌱 導入の全体ステップ

  1. 現状把握と課題整理(ギャップ分析)
  2. 仕組みづくり(業務フローや文書の整備)
  3. 社内教育・周知
  4. 内部監査(模擬的な点検)
  5. 審査機関による審査 → 認証取得

 

ポイントは、「完璧を目指すより、“使える仕組み”を少しずつ作る」こと。
焦らず、自社のペースで進めるのが成功のカギです。

 

 

2. 中小企業が最初にやるべき5つの準備

 

導入プロジェクトをスムーズに進めるために、最初にやっておくべきことを5つに絞ってご紹介します。

 

① 経営者の意思決定と社内への目的共有

ISOの導入は、まず経営者の本気の意思表明から始まります。

「うちの会社をどう変えたいのか」「なぜISOが必要なのか」──その想いを社員にしっかり伝えることが、全体の雰囲気を左右します。

 

「うちはお客さんから信頼される会社になりたい。そのために、品質を安定させる仕組みを作っていく。だからISOを導入する」
といった“会社にとっての目的”を明確にすることが大切です。

 

② 現状の業務フロー・帳票の洗い出し

ISO導入というと、「一から新しいルールや帳票を作らなければいけない」と思いがちですが、

実際は“今のやり方をベースに整える”ことが基本です。

  • 受注から出荷までの業務フロー
  • 作業手順、チェックシート、記録様式
  • クレーム対応の流れ など

これらをざっくり洗い出し、どこが弱点かを把握することからスタートしましょう。

 

③ 推進メンバー(事務局)を決める

中小企業であっても、「誰が旗を振るのか」は明確にする必要があります。

担当者がひとりも決まっていないと、導入は進みません。

  • 小規模なら1〜2名の専任(または兼任)でOK
  • 「業務が分かる人」「社内で信頼されている人」が適任
  • 経営層と現場の間に立てる人だとなお良いです

※外部コンサルが入る場合でも、社内の担当者が必須です。

 

④ ISOの“考え方”を理解する(軽めの勉強会)

いきなり用語や規格条文を読んでもピンとこない方がほとんどです。

まずはシンプルに「ISOって何のためにやるの?」という基本思想を理解することが大切です。

  • 「PDCA(計画→実行→確認→改善)」を回す仕組み
  • 「記録=証拠=継続的改善の材料」
  • 「やること・やったこと・結果を整理する」

社内での簡単な勉強会や動画視聴などもおすすめです。

 

⑤ 支援先・コンサルタントの選定(必要に応じて)

「すべて自社で進めるのは不安…」という場合は、
ISOに詳しい専門家の支援を受けるのがスムーズです。

 

コンサル選びで大切なのは、

  • 製造業・中小企業に対応した実績があるか?
  • “形だけ”でなく「使える仕組み」を提案してくれるか?
  • 社内の言葉や現場感覚を尊重してくれるか?

 

“マニュアルだけ渡して終わり”のコンサルには要注意。
自社に合った支援パートナーを選ぶことが成功の分かれ道です。

 

 

3. 中小製造業がつまずきやすいポイントと対策

 

ISO導入における中小企業の“あるある”な課題と、現場で効果的だった対策をご紹介します。

 

よくあるつまずき

  • 「文書が増えすぎて、誰も見なくなった」
  • 「社員が“やらされ感”で協力的じゃない」
  • 「監査や記録が形だけになってしまった」

 

その対策は?

現場の用語・業務に合わせた文書化
→ 「品質マニュアル」ではなく「作業のしおり」のようなイメージで

 

小さく始めて、少しずつ仕組みを整える
→ すべてを一気に作らず、優先順位を決めて段階的に整備

 

目に見える改善効果を共有する
→ たとえば「ミスが減った」「新人が早く戦力化した」など、ポジティブな変化をチームで実感することが大切です。

 

 

4. 導入初期にやっておくと後がラクになるコツ

 

  • 📂 記録様式・フォーマットを早めに統一
     → 後から全社で揃えるより、初期に最低限の型を決めるとスムーズ

 

  • 📊 進捗の“見える化”ツールを使う
     → ホワイトボードやExcelなどで「今どこまで進んでいるか」が分かると、社内の関心も上がる

 

  • 🤝 「すべて自分たちでやらなきゃ」は捨ててOK
     → 得意なところは社内で、苦手なところは支援を活用

 

 

次に読むべき記事&おすすめ診断

 

ISO9001の導入は、一度きりのイベントではなく、これからの会社を良くしていくためのスタートラインです。

準備をしっかり行えば、その後のステップはぐっとスムーズになります。

 

次回の記事では、実際の文書作成について、
「使いやすく、現場で活きる標準書や記録」をテーマに詳しくご紹介します。

 

📘 次に読むべき記事:

👉 《ISO9001文書の作り方|現場で使える標準書・記録のコツ》

ISO9001文書の作り方|現場で使える標準書・記録のコツ〜形だけで終わらせない、シンプルで実用的な文書の設計法〜03 | 令和グループ(ISOコンサルティング)

 

📋 あわせて読みたい:

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