EMSとは?環境経営の第一歩としてわかりやすく解説!~ISO14001の基本も紹介~
みなさんは「EMS」という言葉を聞いたことがありますか?
ビジネスの現場やISOに関わる場面で登場するこの言葉、実は「環境に優しい会社づくり」に欠かせない大切な考え方なのです。
今回は、この「EMS(環境マネジメントシステム)」について、できるだけやさしく、実例を交えながらお伝えしていきます。
■ EMSとは?かんたんに言うと…
EMSとは「Environmental Management System」の略で、日本語では「環境マネジメントシステム」と呼ばれます。
簡単に言えば、「会社として、環境に配慮した活動をきちんと仕組み化して、継続的に取り組んでいこう」という考え方やルールのことです。
例えば、
- ごみの分別をルール化する
- 電気や水の使い方を見直す
- 環境にやさしい製品をつくる など
こうした取り組みを「やったりやらなかったり」ではなく、会社全体で計画を立て、実行し、確認し、見直す――という流れをつくるのがEMSなのです。
■ どんな会社が導入しているの?
EMSは、大企業だけでなく、中小企業でも導入が進んでいます。
特に製造業では「環境への影響がある」と見なされやすいため、取引先から「EMSを導入していますか?」と聞かれることも珍しくありません。
実際に多くの会社が、国際規格である ISO 14001 という基準に基づいてEMSを運用しています。
■ EMSのしくみはどうなっているの?
EMSは単なる「環境に気をつけましょう」ではありません。
きちんとしたサイクルを持っています。以下のような流れが基本です。
①環境方針を決める
→ 会社として「環境に対して、どう取り組むか」を宣言します。
②環境目標を立てる
→ たとえば「1年で電気使用量を5%減らす」といった具体的な目標を決めます。
③実行する
→ そのために、どういう行動をとるかを明確にして実践します。
④確認・評価する
→ 実際にうまくできたかを点検・評価します(内部監査など)。
⑤見直す・改善する
→ 反省点をふまえて、次のステップに活かしていきます。
このサイクルを「PDCAサイクル」と呼び、継続的な改善につながっていきます。
■ EMSを導入すると、どんなメリットがあるの?
EMSには、たくさんのメリットがあります。
中でもよく聞かれるのは、次のようなものです。
① 法律違反を防げる
たとえば「排水基準が変わったけど、知らなかった…」ということがないよう、法規制のチェック体制を整えられます。
② コスト削減にもつながる
実際に、ある工場では「電気のムダをなくす」というEMSの活動を通じて、年間100万円以上のコスト削減を実現しました。
③ 社会からの信頼が高まる
「環境に配慮しています」と堂々と言えることで、取引先や地域社会からの信頼が厚くなります。
④ リスクの予防にも役立つ
万が一、漏油や騒音などが発生したとき、事前にリスクを想定し、対策していたことで大きなトラブルを防げた――という事例もあります。
■ EMSは特別なことじゃない。できることから始めよう
「EMSって難しそう」「うちは小さな会社だから関係ない」と思う方もいるかもしれません。
でも、実は 「今ある仕事のやり方を、少しだけ環境にやさしく改善する」ことがEMSの出発点なんです。
たとえば、
- コピー機の両面印刷をデフォルトにする
- 古い蛍光灯をLEDに変える
- ごみの分別ルールを見直す
こういった「小さな改善」も立派なEMSの一部です。
それらを「仕組み」として社内に根付かせていくことで、持続可能な経営に一歩近づくことができます。
■ まとめ
EMSとは、「環境にやさしい会社をつくるための仕組み」です。
ISO14001という国際規格に沿って、計画・実行・確認・改善を繰り返すことで、企業としての信頼性も高まり、コスト削減や法令順守にもつながります。
これからの時代、「環境に配慮した経営」は選ばれる会社になるための必須条件とも言えるでしょう。
まずはできることから、あなたの会社にもEMSの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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