【わかりやすく解説】ISO14001「4.4 環境マネジメントシステム」とは?しくみ作りの基本を事例付きで紹介
「環境に配慮した会社経営を目指す」と言っても、ただスローガンを掲げるだけでは意味がありません。
実際には、誰が・何を・どのように行うのかを明確にし、それを**継続的に実施できる“しくみ”**に落とし込む必要があります。
この“しくみ”こそが、ISO14001でいう「環境マネジメントシステム(EMS)」です。
今回は、ISO14001の**4.4項「環境マネジメントシステム」**について、わかりやすく解説しながら、実際の製造業での事例も交えてご紹介します。
◆ ISO14001の「4.4 環境マネジメントシステム」の要点とは?
この項目では、環境方針や目的・目標を達成するために、組織として必要なプロセス(手順や役割、記録など)を整えることが求められています。
要するに、
「環境に配慮した取り組みが、日々の業務の中で自然に回るように、仕組み化しなさい」
ということです。
◆ 具体的に求められる内容とは?
4.4項で求められるのは、以下のような内容です:
1.環境への影響を管理するためのプロセスを整える
例)廃棄物処理の手順、エネルギー使用の記録方法など
2.業務全体にそのプロセスを組み込む
部署ごとにバラバラなルールではなく、共通の基準で回せるように整備します。
3.必要な資源(人・設備・教育など)を確保する
ルールだけでなく、それを実行するための環境づくりも含まれます。
4.役割と責任、権限の明確化
誰が何をするかを明確にしておかないと、現場が混乱します。
5.文書化された情報の整備
手順や実施記録は、記録に残して、あとから振り返り・改善できるようにする必要があります。
◆ 事例紹介:金属加工工場でのEMSの整備
ある中小の金属加工工場では、以下のようなEMSを構築しました。
- 廃液処理の手順書を作成し、掲示
- 作業者が誰でも確認できるよう、写真付きで掲示。
- 各ラインに「環境管理責任者」を配置
- 毎週1回、現場の廃棄物の分別や電力使用のチェックを実施。
- 月次で「環境パトロール」を実施
- 管理者がチェックリストを使って記録し、課題があれば部門会議で共有。
このように、EMSは「管理表」や「チェックリスト」があればよいというものではなく、それを活用して業務に組み込み、改善につなげるしくみがあるかどうかが重要です。
◆ EMSは“書類”ではなく“業務そのもの”
ありがちな誤解として、「ISOって書類作りが大変そう…」という声があります。
しかし本来の目的は、「書類作りではなく、業務そのものを環境に配慮した形に変えること」。
そのため、4.4では「書くだけ」「やっているつもり」ではなく、**実際の業務に組み込んで、うまく回るようにする“しくみ化”**が求められているのです。
◆ まとめ
ISO14001の4.4項では、環境に配慮した活動を継続的に実行するための全体的な仕組み=EMSの構築が求められています。
中小企業であっても、難しいことをする必要はありません。
自社の業務に合ったやり方で「できることから仕組み化する」ことが、認証取得にも、企業の信頼アップにもつながります。
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