ISO9001の要求事項とは?初心者にもわかる序文から箇条10まで完全ガイド
ISO9001を初めて学ぶ方にとって、規格書は専門用語が多くとっつきにくいものです。特に、箇条4~10の要求事項は審査の中心となるため、しっかり理解しておく必要があります。
本記事では、ISO9001の構成を「序文」から「箇条10」まで順を追ってやさしく解説し、それぞれの条文の意味や実務上のポイントをお伝えします。
【序文】ISO9001の土台となる考え方
■ 0.1 一般
ISOは、規格書の用語や構成をそのまま使うことを強制していません。組織にとってわかりやすい言葉で仕組みを構築しても問題はなく、あくまで品質を高めるための「考え方のフレーム」として使うことができます。
■ 0.2 品質マネジメントの7原則
ISO9001のベースとなる7原則:
- 顧客重視
- リーダーシップ
- 人々の積極的参加
- プロセスアプローチ
- 改善
- 客観的事実に基づく意思決定
- 関係性管理 これらの原則は、箇条4〜10すべてに横断的に組み込まれています。
■ 0.3 プロセスアプローチ
業務を単発で管理するのではなく、「一連のプロセスの流れ」として捉える考え方です。PDCAを回しながら改善していくことが求められます。
- 0.3.1 一般:業務は相互に関連するプロセスの集合体
- 0.3.2 PDCA:継続的改善のサイクル
- 0.3.3 リスクに基づく考え方:事前にリスクや機会を洗い出して対応
■ 0.4 他のマネジメント規格との関係
ISO14001やISO45001といった他の規格と統合運用がしやすい構造(共通テキスト)になっています。
【箇条4】組織の状況
- 4.1:自社の内外の課題を把握
- 4.2:利害関係者とそのニーズを明確に
- 4.3:品質マネジメントの適用範囲を決定
- 4.4:業務をプロセスとして整理・管理
✅タートル図やプロセス相関図の活用がおすすめ
【箇条5】リーダーシップ
- 5.1:トップマネジメントの責任と関与
- 5.2:品質方針を策定し、社内外に周知
- 5.3:役割と責任の明確化
✅トップが本気で取り組む姿勢がカギです
【箇条6】計画
- 6.1:リスクと機会の特定と対応策
- 6.2:達成可能で測定可能な品質目標の設定
- 6.3:組織変更時の品質影響を事前に計画
✅FMEAなどのリスク分析手法も有効です
【箇条7】支援
- 7.1:人材・設備・作業環境の整備
- 7.2:必要なスキルと教育の確認
- 7.3:業務への関与意識の醸成
- 7.4:社内外の効果的な情報共有
- 7.5:文書・記録の管理
✅「支援体制の整備」が運用成功のカギ
【箇条8】運用
- 8.1:業務プロセス全体の計画と管理
- 8.2:顧客要求の確認・伝達
- 8.3:設計・開発(必要な場合)
- 8.4:外部委託先の管理
- 8.5:製造やサービスの標準化
- 8.6:最終チェック(リリース)
- 8.7:不適合品の対応と再発防止
✅“現場での実行”が品質マネジメントの要です
【箇条9】パフォーマンス評価
- 9.1:数値やデータに基づいた評価
- 9.2:内部監査の実施と記録
- 9.3:経営層によるマネジメントレビュー
✅評価 → 見直し → 改善の流れを定着させる
【箇条10】改善
- 10.1:システム全体の改善への取組
- 10.2:不具合・クレームの是正処置
- 10.3:継続的改善の文化を根付かせる
✅“終わりなき改善”がISO9001の本質です
🔚まとめ:ISO9001は“仕組みづくり”の教科書
ISO9001の要求事項(箇条0~10)は、「顧客満足を得るための会社のしくみ」を構築する手順書です。
規格に振り回されず、自社の経営・業務に合わせて柔軟に活かすことが、成功の第一歩となります。
🎁無料診断のご案内
「ISO9001、何から始めれば良いかわからない」「今のやり方で審査に通るのか不安」… そんな方には、【無料の一日診断】をご活用ください。
現役審査員が、貴社の現状を確認し、課題と対策を具体的にご提案いたします。
▶ 詳細はこちら:
お気軽にお問い合わせください。
ISO(9001/14001)一日診断、認証取得のコンサルタント、現状のシステムの見直しと改善、内部監査教育や支援、ご質問などお気軽にお問合せ下さい。貴社のニーズに合う最善のご提案とサポートをご提供いたします。