令和グループ(ISOコンサルティング)

ISO審査で必ず聞かれる“3つの質問”とは?〜審査現場のリアルと、質問の意図を知って備えよう〜

ISO審査で必ず聞かれる“3つの質問”とは?

 

「審査では、どんな質問をされるのですか?」

 

ISO9001の審査を控えた企業から、よくいただく質問です。
審査の場では、業種・規模を問わず、**どの審査員も必ずといっていいほど聞く“定番の質問”**があります。

 

今回は、現場経験の豊富なISOコンサルタントの視点から「よくある3つの質問」とその背景・対策についてご紹介します。
審査への備えとして、ぜひ参考にしてください。

 

 

質問①:「組織の目的と品質方針はどのようにつながっていますか?」

 

この質問は、トップマネジメントに向けられることが多く、ISO9001の**箇条5.1(リーダーシップ)と5.2(方針)**に関係します。

 

◆質問の意図

審査員は、品質方針が単なる“飾りの言葉”ではなく、組織の目的・方向性と本当に結びついているかを確認しています。
トップが明確に語れない場合、「方針が社内に浸透していない」と判断されることもあります。

 

◆現場事例

ある製造業の社長は、「会社の目的は利益を上げること」と即答しました。間違いではないものの、その後のやり取りで品質方針との関連が曖昧になり、再説明を求められました。
事前に方針の背景を整理しておくことで、自信をもって答えることができます。

 

 

質問②:「この作業のルールや記録は、どこにありますか?」

 

現場の担当者に向けた質問で、**箇条8(運用管理)や7.5(文書化された情報)**に関連しています。

 

◆質問の意図

作業がルールに基づいて行われているか、そして担当者が必要な情報を把握しているかを見ています。
業務マニュアルや作業指示書があるか、現場に掲示されているかもポイントです。

 

◆現場事例

ある現場では、作業手順が掲示されていたものの、実際の作業はそれに従っておらず、「この通りやっていません」と担当者が答えてしまいました。
形式的に整っていても、現場での運用と合っていなければ“有効性なし”と見なされます。

 

 

質問③:「最近の内部監査で出た指摘事項は?対処はどうしましたか?」

 

この質問は、**内部監査やマネジメントレビューの実効性(箇条9.2、9.3)**を確認する目的で、管理責任者や関係部門に向けて問われます。

 

◆質問の意図

「内部監査→是正→再発防止」の流れが形だけでなく、実際に機能しているかを見極めるための質問です。

 

◆現場事例

ある企業では、是正処置が「対応完了」となっていましたが、根本原因が明確になっておらず、「再発の可能性がある」と指摘されました。
審査では、“なぜ起きたか”の掘り下げができているかが重要です。

 

 

よく聞かれる3つの質問には、共通する“視点”がある

 

これらの質問に共通するのは、「規格と現実のつながり」を見ているという点です。

文書が整っていても、現場で活用されていなければ意味がない――これが審査員の本音です。

 

 

 

どう備える? 対策のポイント3つ

 

  1. 自社の言葉で説明できる準備を
     定型文ではなく、自社の考え・実態に合った説明を用意しましょう。

 

  1. 現場でのロールプレイを実施
     現場担当者が“よくある質問”に答えられるよう、簡単な練習でも効果があります。

 

  1. コンサルタントの立ち会いも有効
     経験豊富な第三者が同席することで、審査への安心感が生まれます。

 

 

まとめ:「答えられる組織」であることが、信頼につながる

 

審査員の質問にどう答えるかはもちろん大切ですが、それ以上に「日頃から業務と仕組みが結びついているか」が問われます。
よくある3つの質問をきっかけに、自社の運用を振り返ってみましょう。

 

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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