ISO規格に広がる“気候変動”の視点|ISO9001・ISO14001改定と社会的評価への影響
はじめに
最近「気候変動」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?
環境問題はもちろん、経営や採用活動にも関係する大きなテーマとなっています。ISOの世界でも例外ではなく、2024年2月の追補で「気候変動への考慮」が正式に求められるようになりました。
この記事では、なぜISO規格に気候変動が取り入れられたのか、これからの企業にどんな意味があるのかを、できるだけわかりやすく解説します。
2024年の追補とその背景
気候変動要素がISOに追加された経緯
ISOの中央事務局は、2024年2月23日に「ISOマネジメントシステムに気候変動を考慮すること」を明文化しました。これにより、品質マネジメント(ISO9001)や環境マネジメント(ISO14001)を運用している組織も、気候変動にどう向き合うかを問われるようになっています。
背景にある国際的な流れ
この改定の背景には、パリ協定やSDGs、ESG投資などの国際的な動きがあります。気候変動は一部の環境団体だけの課題ではなく、世界全体で合意された経営課題といえるのです。
ISO9001・ISO14001改定の方向性
ISO9001への影響
ISO9001は品質に関する規格ですが、今後は「環境や社会への配慮」も企業の信頼や顧客満足に直結する要素として求められていくと考えられます。
ISO14001への影響
環境マネジメントを扱うISO14001は、これまでも環境配慮を重視してきました。そこに「気候変動」が一段と強調され、リスクと機会の把握に“気候リスク”が含まれるようになります。
社会全体で強まる「気候変動対応」要求
利害関係者からの評価
顧客や取引先はもちろん、金融機関も「気候変動への取り組み」を重視しています。融資や投資の判断に、環境リスクへの対応が組み込まれるケースが増えてきました。
学生や求職者の視点
採用の場面でも影響が出ています。学生は「社会性のある企業かどうか」を気にしており、企業が環境や社会への姿勢を発信しているかどうかを就職先選びの基準にしています。
経営者に求められる姿勢
ISOの審査で経営者の方に「気候変動についてどう考えていますか」と尋ねると、逆に「具体的に何をすればいいのですか?」と聞かれることがあります。それほど多くの企業が、まだ社会的要請を経営課題として真剣に捉えきれていないのが実情です。
一方で、積極的に取り組んでいる企業は、自社のホームページやリクルートページに「当社の社会貢献活動」「環境への取り組み」などを掲載し、前向きな姿勢をアピールしています。
こうした姿勢は社会的評価を高めるだけでなく、人材確保にもつながります。
「気候変動対応」と聞くと大がかりなことのように思えるかもしれませんが、最初の一歩は小さくてもかまいません。
経営者が「社会から求められていることを受け止めている」という意思を社内外に示すだけでも、大きな意味があります。
組織に求められる対応とメリット
気候変動対応が経営課題になる理由
- 自然災害や資源不足、規制強化といったリスクを避けるため
- 環境に配慮した商品やサービスを提供し、新しい市場をつかむため
ISOを活かした具体的な取り組み
- マネジメントシステムのリスクと機会に「気候変動」を組み込む
- PDCAサイクルの中で小さな改善を積み上げ、標準化につなげる
👉 中小企業でもできる具体的なステップについては、以下の記事も参考になります。
まとめ
ISOはもはや「審査のため」だけの仕組みではありません。社会からの信頼を得るため、そして優秀な人材を確保するためにも、気候変動への対応は避けて通れないテーマとなっています。
2024年の追補はその第一歩です。これから予定されているISO9001やISO14001の改定を見据え、今のうちに自社の取り組みを確認しておくことが大切です。
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