令和グループ(ISOコンサルティング)

PDCAをまわすとは?実は“普通のこと”

PDCAをまわすとは?実は“普通のこと”

 

 

はじめに:PDCAって、そんなに難しいこと?

 

「PDCAを回せと言われるけれど、どうすれば“回っている”といえるのだろう?」
ISO9001を運用する企業で、経営者や担当者から最もよく聞く言葉のひとつです。

 

PDCA(Plan-Do-Check-Act)は、品質マネジメントの根幹にある考え方です。しかし「PDCAサイクルを回す=難しい仕組みを導入すること」と誤解されがちです。

 

実際はその逆で、PDCAは“ごく普通の仕事の進め方”を少し丁寧に行うことにすぎません。ISO9001を使う目的は、“形式的に管理する”ことではなく、“日常の改善を続けること”です。

 

 

PDCAとは「考えて→やって→確認して→直す」の繰り返し

 

まず、PDCAとは何かを改めて整理してみましょう。

  • Plan(計画):やるべきこと・目標・手順を決める
  • Do(実行):計画したことをやってみる
  • Check(確認):結果を評価し、原因を考える
  • Act(改善):次の改善策を打ち出す

 

たとえば、製造業で「不良率を5%下げる」という目標を立てた場合、

  • Plan:原因を分析し、改善手順を立てる
  • Do:1ラインで試験的に実施する
  • Check:改善後の不良率を確認する
  • Act:うまくいった方法を標準化し、他ラインにも展開する

 

この流れそのものがPDCAです。
つまり、日々の業務改善や報告、会議の中で自然に行われていることなのです。特別な文書や会議を増やすことが目的ではありません。

 

 

「PDCAが回っていない」と言われる本当の理由

 

では、なぜ「PDCAが回っていない」と指摘されるのでしょうか。
多くのケースでは、**PDCAの各ステップが“つながっていない”**ことが原因です。

 

たとえば、次のような状況はよく見られます。

  • 計画を立てたが、実行後の結果を確認していない
  • 問題を改善したが、その効果を検証せずに終わっている
  • 会議で決めた対策が、次の会議で追跡されていない

 

このように、「1回で終わる」状態が続くと、PDCAは“回っている”とは言えません。
PDCAは**「一度きりの取り組み」ではなく、「継続的に見直すこと」が重要です。
言い換えれば、
“車のタイヤのように、回り続けること”が大切**なのです。

 

 

“普通の業務”にPDCAを重ねるコツ

 

「PDCAを回す」と聞くと、「新しい仕組みを作らなければ」と考える方が多いですが、実は逆です。
ポイントは、既に行っている業務にPDCAの視点を重ねることです。

 

たとえば、

  • 月次会議では「数字の報告(Check)」に加え、「次の対策(Act)」を話す
  • クレーム対応報告書に「再発防止策の効果確認」を追記する
  • 教育訓練記録に「成果」や「次回改善点」を記載する

 

つまり、「今ある仕事に“もう一歩先”を加える」こと。
これだけでPDCAは自然に動き出します。

 

そして、現場が混乱しないようにするコツは、「形よりも継続」を重視すること。
完璧な仕組みを求めるより、“止まらない仕組み”をつくることが結果的に大きな効果を生みます。

 

 

私が見てきた“うまく回る会社”の共通点

 

これまで多くの企業を審査・支援してきましたが、PDCAが上手く回っている会社には共通点があります。

  • 小さな改善を積み重ねている
     大きなプロジェクトではなく、日常業務の中で「もう少し良くできないか?」を考える文化があります。

 

  • 記録を残す習慣がある
     ホワイトボードやチェックシートでも構いません。改善の結果を残し、次に活かしています。

 

  • 誰か一人が背負わない
     現場リーダー・事務局・経営者が、それぞれの役割で関わり続けています。

 

つまり、「特別なことをしている」のではなく、**“普通のことを続けている”のです。
PDCAとは、まさに
“普通を継続する力”**にほかなりません。

 

 

まとめ:PDCAは“回す”より“続ける”

 

PDCAは、ISOの専門用語である前に、私たちの日常の仕事の基本形です。
形式的に「PDCAを意識する」のではなく、「いつもの仕事にPDCAの視点を加える」ことで、自然と改善が進みます。

 

ISO9001が求める「継続的改善」は、難しいものではありません。
日常の中で「うまくいった」「次はこうしよう」を繰り返すことが、最も確実な改善なのです。

つまり、**PDCAとは“特別な取り組みではなく、普通のことを続ける仕組み”**です。

 

 

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よくある質問(FAQ)

 

Q1. PDCAを「まわす」とは、具体的に何をすれば良いのですか?

A.「計画を立てて実行し、結果を確認して改善する」という一連の流れを、継続的に行うことです。特別な会議や資料を作るのではなく、日常業務で「次に活かす」意識を持つことがポイントです。たとえば、出荷遅延が起きた際に「原因を分析→対策を実施→結果を確認→標準化」する、これがPDCAです。

 

 

Q2. 「PDCAが回っていない」と言われたとき、まず何を見直せば良いですか?

A. 多くの組織では、「Check」と「Act」が止まっています。つまり“やりっぱなし”です。実行した結果を定期的に振り返り、次の手を打つ仕組みを加えることで、PDCAは自然に回り始めます。

 

 

Q3. ISOのPDCAと、一般的な業務改善のPDCAは違うのですか?

A. 基本的な考え方は同じです。ISOでは、それを「文書化し、維持・改善する」点が特徴です。ただし目的は同じ──「仕組みを通じて成果を上げること」。形にこだわるより、継続できる運用が大切です。

 

 

Q4. 小規模事業所でもPDCAを実践できますか?

A. もちろん可能です。むしろ小規模な組織ほど、会議や報告を簡素化し、現場の中で「気づき→実行→確認→改善」が自然に回る形にすることで効果が高まります。ホワイトボード1枚でも立派なPDCAです。

 

 

Q5. PDCAがうまく回るようにするために、外部の支援を受ける意味はありますか?

A. 第三者の視点で「どの段階が止まっているのか」を整理できる点が大きなメリットです。令和グループの一日診断でも、現場の実情に合わせた“自然に回るPDCA”を一緒に設計しています。

 

 

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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