令和グループ(ISOコンサルティング)

ISO認証取得コンサルタントの役割とは!~事例を交えた解説~

 

“ISO認証取得コンサルタントの役割とは”どのようなことでしょうか?事例も交えて分かり易く解説します。

 

ISO9001認証取得コンサルタントの役割と事例を交えた解説

 

ISO9001認証取得において、コンサルタントは企業が品質マネジメントシステム(QMS)を構築・運用し、認証を確実かつ効果的に取得できるよう外部から支援する専門家です。特に重要なのは、単なる「認証取得」が目的ではなく、組織が本来実現したいことにISOをどう活かすかを明確にすることです。

 

 

導入目的の確認とゴールの明確化(最初のステップ)

 

ISO9001導入プロジェクトの最初のステップは、「なぜISOを導入するのか?」「どのような成果を組織として期待しているのか?」を明らかにすることです。
この確認を怠ると、「とりあえず認証だけ取れればいい」という形骸的な制度になり、継続的な改善や業務の質の向上につながりません。

事例:
ある中小の製造業では、当初「取引先から認証を求められたから」という受動的な理由でプロジェクトが始まりました。しかし、コンサルタントが導入目的を深掘りする中で、「品質クレームを減らしたい」「属人化を解消したい」「若手でも仕事ができるようにしたい」といった本音が出てきました。
これにより、ISOは単なる「取引条件」ではなく「業務改善ツール」として捉え直され、社員の参加意欲も高まりました。

 

 

現状分析(ギャップ分析)

 

企業の現在の業務プロセスや品質管理体制を、ISO9001の要求事項と比較し、何が足りていないのかを明らかにします。
この「ギャップ分析」によって、取り組むべき課題の全体像が見えるようになります。

事例:
ある製造業では、品質管理はベテラン社員が感覚的に行っており、手順や基準が明文化されていませんでした。コンサルタントは「品質記録の欠如」「教育履歴の未整備」「是正処置の仕組みがない」といったギャップを特定し、改善の方向性を提案しました。

 

 

プロジェクト計画の立案

 

次に、ISO取得に向けたプロジェクト計画を立案します。対象範囲、スケジュール、体制、各部門の役割などを明確にし、全社的な取り組みに落とし込みます。

事例:
サービス業の会社では、通常業務の合間にプロジェクトを進める必要がありました。そこでコンサルタントは、繁忙期を避けた実行計画を提案し、週次ミーティングと進捗管理表を使ってスムーズにプロジェクトを進行しました。

 

 

文書化支援(品質マニュアル・手順書など)

 

ISO9001では、業務内容やルールを明文化し、それを基に運用することが求められます。コンサルタントは、過剰な書類にならないよう注意しながら、実務に沿った文書作成を支援します。

事例:
小規模の設計事務所では、既存のチェックリストを活かして設計業務フローを文書化。コンサルタントは現場とやり取りしながら、使いやすさと規格適合の両立を図りました。

 

 

品質マネジメントシステムの構築と導入

 

文書を形だけ作っても意味がありません。実際の業務の中で「計画を立て(Plan)→実行し(Do)→評価し(Check)→改善する(Act)」というPDCAサイクルを回す仕組みを導入します。

事例:
印刷会社では、納期遅延が頻発していたため、毎週の工程進捗確認と原因分析を行うようになりました。コンサルタントは、これを「品質目標の達成管理」として組み込み、業務改善とISOを結びつけました。

 

 

教育・訓練

 

ISO9001の基本的な考え方や、自分の業務との関係を理解してもらうため、社員向け研修や内部監査員教育を実施します。

事例:
建設業の社員研修では、現場での「ヒヤリ・ハット」を題材にして「不適合」の考え方を説明。実際の経験に基づく演習により、理解度が大きく高まりました。

 

 

内部監査支援

 

自社のルールが正しく運用されているかを確認する「内部監査」を計画・実施します。コンサルタントが実施方法を指導したり、初回は実地支援することもあります。

事例:
販売業の企業では、初めての内部監査に不安があったため、コンサルタントが模擬監査を実施。その後、社内の若手社員が自信を持って内部監査を行えるようになりました。

 

 

マネジメントレビューの支援

 

経営者が品質マネジメントの有効性を確認し、改善方針を出す場が「マネジメントレビュー」です。コンサルタントは、レビューに必要なデータや資料作成をサポートします。

事例:
介護施設では、クレーム対応記録・職員の教育状況・事故件数の推移などをレビュー資料として整理。経営陣が改善テーマを見える化できるようになり、方針の明確化につながりました。

 

 

8. 認証審査の対応支援

 

外部審査機関との調整や、審査当日の立ち会い、指摘事項への対応アドバイスを行います。事前に模擬審査を実施することもあります。

事例:
製造業では、審査前の最終チェックで「教育記録が一部不足している」ことが判明。コンサルタントがアドバイスし、審査前に記録を整備。無事、是正処置なしで一発合格しました。

 

 

認証後の継続的改善の支援

 

ISO認証はスタート地点。継続的な改善を行っていくことが大切です。コンサルタントは、PDCAが回り続ける仕組みの支援も行います。

事例:
ある物流会社では、認証後に「品質目標の見直し」「業務改善提案制度の導入」を実施。コンサルタントの継続支援により、年々クレーム件数が減少し、現場のやる気も向上しました。

 

 

かたちだけの認証で終わらせないーISO9001を企業成長に活かす仕組みに

ISO9001コンサルタントの役割は、「認証取得」という表面的なゴールだけでなく、企業が””本当に実現したい成果(業務改善・顧客満足・社員育成など)””を明確にし、それに沿った仕組みを築くサポートです。

 

 

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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