令和グループ(ISOコンサルティング)

ISO9001とISO14001の違いとは?両方取得する企業が増えている理由

 

1. はじめに

 

「ISOを取ったほうがいいらしいけど、ISO9001とISO14001って何が違うの?」
「うちは中小企業だし、どちらか1つで十分では?」

 

このようなご相談をよくいただきます。確かに、ISOにはさまざまな種類があり、はじめての方にとっては違いがわかりにくいものです。

 

この記事では、ISO9001とISO14001の違いをわかりやすく解説し、両方を取得するメリットについても具体的にご紹介します。

 

 

2. ISO9001とは?

 

ISO9001は、「品質マネジメントシステム」に関する国際規格です。
簡単に言えば、「お客様に安定して良いモノやサービスを提供するための仕組み」です。

 

たとえば、製造業では「不良を減らす」「納期を守る」ための仕組みづくりが対象になります。サービス業でも、「対応のばらつきをなくす」「クレームを減らす」といった目的で活用されています。

 

また、顧客満足の向上だけでなく、「業務のムダやムラ」を見つけて改善することにも役立ちます。

 

 

3. ISO14001とは?

 

一方のISO14001は、「環境マネジメントシステム」の国際規格です。
これは「環境に配慮した経営を行うための仕組み」と言えるでしょう。

 

対象となるのは、たとえば以下のような項目です:

  • 電気や水道などエネルギーのムダ使いを減らす
  • ゴミの分別やリサイクルを徹底する
  • 有害な物質の取り扱いを管理する
  • 法令(産業廃棄物、排水規制など)をきちんと守る

 

最近では、取引先から「環境対策をしていること」を求められるケースが増えており、ISO14001の取得が“取引条件”になっていることもあります。

 

 

4. ISO9001とISO14001の主な違いとは?

 

ISO9001とISO14001は、それぞれ「品質」と「環境」という異なるテーマに焦点を当てています。

 

比較項目

ISO9001(品質)

ISO14001(環境)

主な目的

顧客満足、業務の継続的改善

環境保護、法令順守、環境負荷の低減

対象範囲

業務プロセス、製品・サービスの品質

エネルギー使用、廃棄物、化学物質などの環境影響

利害関係者

顧客、従業員、供給者など

地域住民、行政機関、環境団体など

 

ただし、両方の規格とも「計画→実行→チェック→改善(PDCA)」の考え方に基づいているため、構造が似ています。

 

 

5. 両方取得するメリットとは?

 

① 社外からの信頼が高まる

「品質にも環境にも配慮した会社」という印象を持ってもらえるため、取引先からの信頼が格段にアップします。
入札案件や大手企業との新規取引において、ISO9001とISO14001の取得が“必須条件”となることも少なくありません。

 

② 社内の体制が整う

品質面と環境面の両方から業務を見直すことで、会社全体の効率やリスク管理のレベルが向上します。
特に中小企業にとっては、「業務の属人化の解消」「担当者の育成」にもつながります。

 

③ 統合して運用すれば、負担も軽減

最近のISO規格は「ハイレベル構造(HLS)」と呼ばれる共通の構造になっており、統合マネジメントシステムとして同時に運用可能です。
内部監査やマネジメントレビューもまとめて行えるため、運用の手間が半分以下に抑えられるケースもあります。

 

④ SDGsやESG経営への対応にも有利

環境対策や持続可能性への取り組みが評価される時代において、両方のISOを取得していることは企業価値の向上にもつながります。

 

 

6. 中小企業の導入事例

 

ある製造業の企業では、最初にISO9001だけを取得していましたが、ある日、主要取引先から「ISO14001もないと取引を継続できない」と通告を受けました。

 

そこからISO14001の取得を決め、同時に業務全体を見直した結果、エネルギー使用量を10%削減、業務マニュアルも改善され、ミスも減少。

「むしろ早くやっておけばよかった」と担当者の声。

両方を持つことで、社内外の信頼が強まる好例です。

 

 

7. 取得を検討する際のポイント

 

  • どちらから始めるべきか?
     一般的にはISO9001を先に取得し、次にISO14001を追加するケースが多いです。

 

  • 同時取得は可能?
     はい、可能です。文書の整備や教育など、共通部分が多いため、コスト面でも効率的です。

 

  • 外部の専門家に相談を
     自社で進めるには限界があります。認証取得の経験豊富なコンサルタントを活用することで、無駄なくスムーズに取得できます。

 

 

8. まとめ

 

ISO9001とISO14001は、それぞれ異なる目的を持つ規格ですが、運用のベースは共通しています。

両方を取得することで、品質の信頼性と環境への配慮という両輪を整え、企業としての総合力を高めることができます。

 

「品質と環境、両方で選ばれる会社へ」
その第一歩として、ぜひISOの同時取得をご検討ください。

 

 

9. 専門家による無料診断のご案内

 

令和グループ「R’G Simple ISO」では、ISO9001・ISO14001の同時取得支援に対応しています。

無料で受けられる「一日診断」で、御社の現状や課題を診断し、最適な取得プランをご提案いたします。

今のISOで満足ですか?プロが改善方向を提案する一日診断

 

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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