【ISO9001:2026改定】倫理的行動とは?~信頼される組織文化の第一歩~

はじめに:ISO9001改定で注目される“倫理的行動”
ISO9001:2026改訂版(DIS)が2025年8月に発行され、
その中で新たに明確化された概念のひとつが**「倫理的行動(Ethical Behavior)」**です。
これまでISO9001は「品質マネジメントの仕組み」づくりを重視してきましたが、
改訂版ではさらに一歩進み、「誠実さ・公正さ・信頼性」を基盤とした
組織文化=**品質文化(Quality Culture)**が重視されるようになりました。
この中で「倫理的行動」は、品質文化の根幹を成す要素として位置づけられています。
倫理的行動とは?ISO9001の視点で整理する
「倫理的行動」とは、単に**法令を守る(コンプライアンス)**という意味にとどまりません。
ISO9001の文脈では、社会的・職業的な良識に基づいて誠実に行動することを指します。
たとえば次のような行動が挙げられます。
- 品質データや検査結果を正しく記録し、虚偽報告をしない
- 顧客や取引先に対して公正な対応を取る
- 不具合が発生したとき、隠さず正直に報告・是正する
- 下請企業や協力会社にも誠実に接する
- 社員が安心して意見を言える環境をつくる
こうした「倫理的行動」は、製品やサービスの品質を支える“見えない品質基盤”です。
品質文化と倫理的行動の関係
ISO9001:2026で新たに示された**「品質文化」**は、次の5つの要素で構成されています。
- 倫理的行動(Ethical Behavior)
- 誠実さ(Integrity)
- オープンなコミュニケーション(Open Communication)
- 学習志向(Learning Orientation)
- 責任の共有(Shared Responsibility)
このうち「倫理的行動」は、他の4つを支える最下層の土台と位置づけられます。
もし倫理が欠けると、組織の信頼は崩れ、品質文化は根づきません。
品質文化=「正しいことを正しく行う」文化であり、
倫理的行動はその“心の軸”です。
中小企業でもできる倫理的行動の実践ポイント
1️⃣ 行動規範(Code of Conduct)の明文化
「誠実・公正・信頼」を柱とする短い行動規範をつくり、朝礼や掲示で共有します。
難しい言葉よりも、自社の言葉でわかりやすく書くことが大切です。
2️⃣ 品質ミーティングで「倫理」をテーマにする
品質会議で「正直な報告」や「誤魔化さない文化」をテーマに話し合うことで、
社員の意識が変わります。
一度の会議で終わらせず、継続的に語ることがポイントです。
3️⃣ 通報・相談の仕組みを整える
不正や違和感を感じた社員が声を上げられるように、
匿名相談窓口や信頼できる相談ルートを設けましょう。
「報告した人を守る」文化こそが倫理的行動の根づく基盤です。
リーダーが果たす役割
ISO9001では、リーダーシップが非常に重要です。
経営者や管理職が「誠実さ」「公正さ」を日々の行動で示すことで、
社員の行動も自然と変わります。
倫理的行動は経営者が“言葉”ではなく“行動”で示すものです。
たとえば、
- ミスを隠さず認め、再発防止を前向きに議論する
- 不正を見逃さず、公平に対応する
- 約束を守り、説明責任を果たす
といった日常の姿勢が、組織の信頼をつくります。
まとめ:倫理的行動は品質の根っこ
ISO9001の目的は「顧客満足と継続的改善」。
その根底にあるのが、倫理的行動=正しいことを正しく行う姿勢です。
仕組みや文書が整っていても、そこに誠実さがなければ品質は守れません。
「倫理的行動」を日々の業務の中に組み込み、
“信頼される品質文化”を育てることが、ISO9001:2026時代の第一歩です。
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