【ISO9001:2026改訂】中小企業が実践できる「倫理的行動」の3ステップ~信頼される経営への第一歩~

はじめに:ISO9001改訂で注目される「倫理的行動」とは
ISO9001:2026(DIS版)では、新たに**「倫理的行動(Ethical Behavior)」**という考え方が明確に示されました。
これは単なる「法令遵守」や「不正防止」ではなく、誠実さや信頼性をもとに行動する文化を組織に根づかせることを意味します。
特に中小企業では、経営者の言動や日々の判断がそのまま組織の信頼に直結します。
本記事では、無理なく取り組める「3つのステップ」で、倫理的行動を現場に浸透させる実践方法をご紹介します。
ステップ1:経営層が「倫理の基準」を明確にする
最初の一歩は、経営トップが倫理の基準を明確にすることです。
「お客様に誠実であること」「約束を守ること」「不正を許さないこと」など、会社として大切にする価値観をシンプルに言葉にし、全社員に伝えましょう。
例:金属加工業A社では、経営者自らが「品質と納期に誠実であること」を掲げ、
不具合や遅延があった際も正直に報告する姿勢を全社員に徹底。
その結果、顧客からの信頼が高まり、取引拡大につながりました。
中小企業では、経営者の「日常の振る舞い」こそが最大の教育ツールです。
行動で示す姿勢が、社員の“判断のものさし”になります。
ステップ2:現場の日常業務に落とし込む
方針を掲げるだけではなく、現場の業務に落とし込むことが重要です。
倫理的行動は特別な制度ではなく、日々の仕事の中で問われる「小さな判断の積み重ね」です。
実践のポイント
- 判断に迷ったときに使える「行動ガイドライン」を作る
- 社内ミーティングで「これは誠実だったか?」を話題にする
- 内部監査や日常点検で、倫理的行動の実践事例を共有する
例:製造B社では、「隠すより、早く伝える」をスローガンに掲げ、
クレーム発生時に速やかに報告・是正を行うルールを運用。
結果、再発率が減少し、顧客満足度が向上しました。
こうした取り組みを続けることで、「正しいことをする」ことが自然な文化として根づきます。
ステップ3:仕組みとして定着させる
最後のステップは、倫理的行動を仕組みとして定着させることです。
単発の取り組みではなく、継続的な改善(PDCA)の中で育てることがポイントです。
定着の工夫
- 教育や朝礼で倫理事例を共有する
- 「誠実な行動」を社内表彰や評価制度に反映する
- マネジメントレビューで、倫理的行動に関する取組状況を振り返る
例:印刷業C社では、月1回のミーティングで「お客様に誠実に対応した事例」を共有。
これを社内表彰に繋げたことで、社員同士が“良い行動”を称える文化が生まれました。
ISO9001が求める「継続的改善」の中に倫理的行動を組み込むことで、倫理は“形式”ではなく“文化”へと進化します。
倫理的行動が生み出す「信頼経営」
ISO9001:2026で強調される「倫理的行動」は、企業の信頼を守る“見えない資産”です。
誠実な対応は、一時的なコスト増ではなく、長期的な信頼・再取引・社員の誇りとして返ってきます。
中小企業でも、3ステップを実践すれば、無理なく“信頼される経営”に近づくことができます。
品質文化との関係を知りたい方へ
倫理的行動は、「品質文化(Quality Culture)」の中核をなす要素です。
品質文化についてより深く学びたい方は、こちらのハブページをご覧ください。
👉 【ISO9001改訂】品質文化とは何か|仕組みを超えて“人”でつくる品質経営
関連記事まとめ|ISO9001:2026「倫理的行動」ハブページへ
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品質文化との関係や実践の進め方をより深く理解したい方は、
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