令和グループ(ISOコンサルティング)

【ISO9001:2026改定】品質文化を阻む3つの落とし穴とその乗り越え方~“形はあるのに、文化にならない”原因とは~

ISO9001:2026改定】品質文化を阻む3つの落とし穴とその乗り越え方~“形はあるのに、文化にならない”原因とは~

 

 

1. 「仕組みが目的化する」落とし穴

 

ISO9001を運用する中で最も多いのが、「仕組みを回すこと」が目的になってしまうケースです。
たとえば、手順書を守ることが「品質を守ること」だと勘違いし、
現場の実態に合わなくても「ルール通りにやればOK」となってしまう。

 

この状態では、現場の気づきが失われ、改善が止まります。

 

👉 乗り越え方: 「目的」を常に現場で再確認する。
「この手順は何のためにあるのか?」を話し合う時間を設けることで、
手順が“目的のための道具”に戻ります。
監査や会議で“目的確認”を必ず入れる企業は、文化の成熟度が高い傾向にあります。

 

 

2. 「責任追及型」の雰囲気が根づいている落とし穴

 

不良やミスが発生すると、つい「誰がやったか」を追及してしまう。
この瞬間、現場の人は「隠す」「黙る」「報告しない」方向へ動きます。

 

品質文化は、“正直に話せる空気”があって初めて育ちます。
失敗を報告した人を責めずに、「次にどう活かすか」を考える姿勢が不可欠です。

 

👉 乗り越え方: 「問題を出すことが評価される」文化へ。
ある中小企業では、不良報告を行った社員に「早期報告賞」を贈呈。
報告の早さが品質を守る――という前向きなメッセージが、
社内の空気を一変させました。

 

 

3. 「経営層が現場と距離を置く」落とし穴

 

品質文化はトップの言葉より、**トップの“姿”**で伝わります。
しかし、経営者が会議室にこもり、現場の声を聞く機会が少なくなると、
現場では「品質は口先だけ」と感じてしまいます。

 

ISO9001の箇条5(リーダーシップ)は、まさにこの“現場との距離感”を問題にしています。
品質方針を掲げるだけでなく、現場でそれを語り、行動で示すことが重要です。

 

👉 乗り越え方: 経営者が“現場の対話者”になる。
月1回でも現場ラウンドを行い、社員と直接話す機会を持つ。
「ありがとう」「よく気づいたね」の一言が、
品質文化を根から支える“経営の声”になります。

 

 

🔍 まとめ:文化は“恐れ”ではなく“信頼”でつくられる

 

品質文化が育たない職場には、必ず「恐れ」があります。
恐れは報告を止め、改善を止め、人を沈黙させます。

 

一方、「信頼」には人を動かす力があります。
仕組み・教育・リーダー行動――これらはすべて、信頼を形にするための手段です。

 

品質文化とは、人を信じ、話を聞き、共に良くしていこうとする“関係性の文化”。
仕組みを整えるだけでなく、心の距離を近づけることこそが、
品質経営の本質です。

 

 

品質文化を経営に根づかせるために ― ハブページで再確認を

 

「形だけのISO」から抜け出すには、品質文化の全体像を理解し、経営の視点で捉えることが欠かせません。
これまでの内容を体系的にまとめたハブページで、改定の意図と実践のつながりを再確認してみましょう。
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品質文化は、仕組みや文書だけでは測れません。
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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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