ISO9001の7つの要求事項とは?〜中小企業向けにわかりやすく解説〜
「7つの要求事項って何?」からはじめよう
「ISO9001にある“7つの要求事項”って、結局何のこと?」
はじめてISO認証取得に取り組む中小企業のご担当者から、よく寄せられる疑問です。
ISO9001は、品質マネジメントシステム(QMS)に関する国際規格で、企業が継続的に品質を改善し、顧客満足を向上させていくための“仕組み”を定めたものです。
中でも核となるのが、第4章から第10章にかけて定義された7つの要求事項です。これらを正しく理解することで、「ISOの仕組みが何のためにあるのか」「どう活用すべきか」が自然と見えてきます。
本記事では、それぞれの章の意味と現場での活用ポイントを、わかりやすく・実践的に解説します。
ISO9001は“PDCA”で動いている
ISO9001の7つの要求事項は、以下のようにPDCA(Plan・Do・Check・Act)サイクルに沿って構成されています。
種類 |
該当章 |
内容 |
Plan(計画) |
4~6章 |
組織の状況把握、リーダーシップ、目標とリスクの設定 |
Do(実行) |
7~8章 |
人・モノの準備、実際の業務運用 |
Check(確認) |
9章 |
パフォーマンスの評価(監査・分析) |
Act(改善) |
10章 |
改善活動・是正処置 |
各章の概要と中小企業向けポイント
4. 組織の状況
何をする?
- 会社の“現在地”を整理する章です。
- 強み・弱み、関係者(顧客・行政・社員など)の期待と要求を把握します。
中小企業の実践例:
- 取引先からの苦情や、現場での困りごとをヒアリング
- 外部環境の変化(競合、原材料高騰など)も洗い出し対象に
5.リーダーシップ
何をする?
- 経営者や管理職が、品質方針を定めて組織全体に浸透させる章です。
- 責任と役割の明確化が求められます。
中小企業の実践例:
- 「顧客満足を最優先」「納期厳守」などシンプルな方針を掲げる
- 月1回の朝礼で全員に共有
6. 計画
何をする?
- 目標を立て、リスクや機会を考慮した上で品質を高める計画を立てる章です。
中小企業の実践例:
- 「クレームを月1件以下にする」「納期遅延ゼロを目指す」といった具体目標
- 外注先の管理体制などもここで計画対象に
7. 支援
何をする?
- 人・設備・情報・文書など、業務を支えるリソースの整備を行う章です。
中小企業の実践例:
- 作業手順書の見直しや、社員教育の記録管理
- パソコンが1台しかない現場に対応策を考えるのも“支援”の一つ
8. 運用
何をする?
- 計画通りに業務を進め、製品・サービスの品質を管理する章です。
- 顧客とのやりとり、製造・納品までの一連の流れを対象にします。
中小企業の実践例:
- 受注〜出荷までの工程を一覧にして、誰が何をするかを明確に
- 外注業者への発注基準や検品ルールを明文化
9. パフォーマンス評価
何をする?
- 計画通りに進んでいるかを点検し、問題があれば原因を探る章です。
中小企業の実践例:
- 年1回の内部監査の実施
- 顧客アンケートの結果を会議で共有し、改善点を洗い出す
10. 改善
何をする?
- 発生した問題(不適合)の原因を突き止め、再発防止策を打ち出す章です。
中小企業の実践例:
- 「なぜ納期遅延が起きたのか?」を5回「なぜ?」と問い深掘り
- 対策をルールに反映し、次回からのミスを防止
書類作りが目的ではない。仕組みを“使う”ことが大切
ISO9001は形式的に文書を整えるだけでは意味がありません。
「現場でどう役に立つか」「どうすれば使いやすいか」が、導入・運用成功の鍵です。
令和グループでは、**中小企業でも無理なく運用できる“シンプルなISO”**を提案しています。
審査経験のあるコンサルタントが、必要最小限の文書で実務に役立つ仕組みを一緒に構築します。
まとめ:7つの要求事項は“強い会社”への道しるべ
ISO9001の7つの要求事項は、一つひとつが現場や経営の質を高めるヒントです。
「複雑そうで不安…」と感じるかもしれませんが、要点さえ押さえれば、中小企業こそ大きな効果を得られる規格です。
「いまのやり方でいいのか不安」「社内に仕組みがない」——
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