ISO9001コンサルタントと社内推進担当の役割分担|成功企業が実践する二人三脚の進め方
はじめに
「ISOコンサルタントに頼めば、すべてやってくれるんですよね?」
──そんなご相談を受けることがあります。
確かに、ISO9001コンサルタントは認証取得の流れを熟知しており、
規格の解釈・文書化・審査対応などで強力な支援を行います。
しかし、ISOの導入・運用は「コンサル任せ」では成功しません。
本記事では、ISO9001コンサルタントと社内推進担当の役割を明確にし、
“二人三脚”で成果を出すための進め方を、実際のコンサル経験に基づいて解説します。
コンサルが担う役割と限界
コンサルタントの主な役割
ISOコンサルタントは、認証取得のための「最短ルート」を示すナビゲーターです。
具体的には、以下のような支援を行います。
- 現状の業務とISO要求事項とのギャップ分析
- 文書体系・手順書・規程などの設計支援
- 教育・説明会による社内理解の促進
- 審査準備や模擬審査、是正指導の助言
いわば「外部の専門知識を活用して、社内に最適な仕組みを作る」ことが役割です。
しかし、コンサルには限界がある
ISOコンサルタントは、企業の“内部業務”や“判断”までは代行できません。
たとえば、方針の決定・目標の設定・業務データの整備などは、
組織内部でしか決められない領域です。
この境界があいまいなまま進めると、
「とりあえずISOは取れたけれど、社内に定着しない」
という典型的な失敗例になります。
ISO9001の本質は**“自社の仕組みを改善するための仕組み”**です。
コンサルはその道案内役であり、実際に歩くのは企業自身なのです。
社内で必ず必要な“窓口役”とは
ISOプロジェクトを成功させる上で欠かせないのが「社内推進担当者」です。
この担当者は、単なる事務窓口ではなく、プロジェクトリーダー的存在になります。
社内推進担当の主な役割
- 各部門からの情報収集・業務の実態把握
- 経営層と現場の橋渡し・意思統一
- コンサルとの打ち合わせ・スケジュール調整
- 社内教育や改善活動の実行管理
この役割を担う人は、会社全体を見渡せる人材が望ましいです。
部門責任者や品質管理担当、経営幹部クラスが選ばれることも多いです。
社内推進担当に求められる資質
- 社内での信頼と調整力
- 業務プロセスの理解力
- 改善意欲と柔軟な思考
推進担当は“書類づくり係”ではなく、
「自社に合った仕組み」を形にする中心人物です。
二人三脚で進めるプロジェクトの流れ
ISO構築は「コンサルが作るもの」ではなく、「一緒に作るもの」。
それぞれの役割を理解した上で進めることで、
無理なく・ムダなく・効果的な仕組みを整えることができます。
ステップ① 現状把握フェーズ
コンサルが全体ヒアリングを実施し、社内推進担当が現場から情報を収集。
「何が既にできているか」「どこに改善余地があるか」を整理します。
ステップ② 仕組み設計フェーズ
現行業務をベースに、ISO要求事項を組み込みます。
業務フローをISOに合わせるのではなく、ISOを業務に馴染ませる設計が理想です。
ステップ③ 文書・教育フェーズ
社内用語を使い、誰が読んでも分かる文書化を目指します。
教育では、コンサルが講師、推進担当が受講者管理・社内展開を行います。
ステップ④ 運用・改善フェーズ
実際の運用中に出た課題を共有し、コンサルが改善の方向を助言します。
小さなPDCAを回すことで、仕組みが社内に根づきます。
ステップ⑤ 審査対応フェーズ
コンサルは審査の受け答えや資料準備を助言。
推進担当は現場との調整役を務め、スムーズな対応を実現します。
👉 両者が“並走”することで、最も短期間で高品質なISOを実現できます。
社内推進担当が得られるメリット
ISO推進担当は、最初は「大変そう」と感じるかもしれません。
しかし、実際に関わることで得られるメリットは非常に大きいです。
- 業務整理力:業務フローを可視化するスキルが身につく
- 問題解決力:課題を抽出し、仕組みで解決する思考が育つ
- 社内調整力:部門間の意見をまとめ、合意形成する力が強化される
- 経営層からの信頼:全社的な改善に携わることで評価が高まる
結果的に、「ISOを担当した人=会社を変えた人」として
将来的には内部監査リーダーや品質責任者へと成長していくケースも多いです。
よくある役割分担の失敗例
ISO導入がうまくいかない企業の多くは、
この「役割分担のミス」に原因があります。
よくある失敗パターン
- コンサル任せで自社にノウハウが残らない
→ 審査は通っても、翌年には形骸化してしまう。
- 社内担当が“伝達係”に終始している
→ 部門が本気で動かず、書類作業だけが進む。
- 経営層が関与せず、方向性が定まらない
→ 改善の優先順位が不明確になり、停滞する。
- 部門間の温度差が大きく、情報共有が進まない
→ 推進担当が孤立してしまう。
これらを防ぐためには、初期段階で役割と責任範囲を明確化することが不可欠です。
特に「誰が決定権を持つのか」「誰が最終確認を行うのか」を明示しておくと、
プロジェクト全体がスムーズに進みます。
まとめ|“任せるISO”から“一緒に作るISO”へ
ISO9001を成功させる最大の鍵は、
コンサルタントと社内推進担当の連携力です。
コンサルが専門知識を提供し、推進担当が社内の実情を反映させる。
この“二人三脚”があってこそ、形だけでない“現場で生きるISO”が完成します。
ISOを単なる「認証のための仕組み」から、
「会社の成長を支える仕組み」へと進化させましょう。
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