5.3 組織の役割、責任及び権限
要点
組織運営には、誰が何をやるのかを明確にする必要があります。トップマネジメントは、組織として必要な機能それぞれに対して責任者を割り当て、権限を委譲し、組織内に周知することが必要です。
管理責任者について
規格では「管理責任者」を任命することは要求していませんが、品質・環境マネジメントシステムに関して責任・権限を割り当てるという要求事項があります。その責任・権限は「管理責任者」と呼ばれることもある個人に割り当てても、複数の人々で分担しても、またはトップマネジメントのメンバーに割り当ててもいいのです。
管理責任者”management representative”は、忙しいトップマネジメントの代理として、品質・環境マネジメントシステムの実務的運用を統括管理し、トップマネジメントへ報告することが期待されています。その際、品質・環境マネジメントシステムの有効性に関する説明責任はトップマネジメントが果たさなければなりません。
品質・環境マネジメントシステムの規格要求事項への適合
「品質・環境マネジメントシステムの規格要求事項への適合」とは、「4.4 品質・環境マネジメントシステム」に従って品質・環境マネジメントシステムが運用され、内部監査でその運用を評価・実践されることが考えられます。そのための内部監査を適切に実行できる人々、及び必要な責任・権限の割り当てをすることが必要と考えられます。
品質・環境マネジメントシステムのパフォーマンスとは
パフォーマンスの報告は、マネジメントレビューの要求事項及びその他の事項について行われることが考えられます。
品質面では、顧客要求事項や法的要求事項に適合する製品及びサービスの提供、そして顧客満足の向上、適合品率などが該当します。環境面では、順守義務の満たされ度、環境目標の達成状況、不適合及び是正の状況などが該当します。