令和グループ(ISOコンサルティング)

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

 

“4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解”では、どんなことを実施することが要求されているのでしょうか?その要求事項について要点を解説します。

 

 

“4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解”概要

 

「4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解」は、組織がその活動に影響を及ぼす、または影響を受けるさまざまな利害関係者(ステークホルダー)の要求や期待を把握し、適切に対応するためのプロセスです。以下はその総括的な概要です。

  • ステークホルダーの特定
    組織に直接・間接的に影響を与える関係者(例:顧客、従業員、供給者、規制当局、地域社会など)を明確にし、その範囲を定義します。

 

  • ニーズ・期待の把握
    各ステークホルダーが求める価値や要求、さらには期待する成果やサービスレベルを調査・分析し、文書化します。

 

  • 戦略との連携
    得られた情報を基に、組織の戦略や目標設定、マネジメントシステムの設計に反映させ、全体としての方向性と調和させることが重要です。

 

  • 継続的なレビューとフィードバック
    環境の変化やステークホルダーの状況の変動に応じて、定期的にニーズと期待を再評価し、組織の対応策やプロセスを更新します。

 

この理解と対応は、ISO 9001やISO 14001などの国際規格においても重視され、組織が持続可能な発展を遂げるための基盤となる重要な要素です。

 

 

利害関係者が持つ“気候変動に関する要求事項”の例

 

利害関係者が「気候変動に関する要求事項」として持つ可能性のあるものは、組織の規模や業種、地域によって異なるものの、一般的には以下のような内容が考えられます。

  • 温室効果ガスの削減目標
    企業活動によるCO₂排出量の削減、またはカーボンニュートラルの達成に向けた具体的な数値目標の設定が求められることが多いです。

 

  • 再生可能エネルギーの導入・促進
    化石燃料依存からの脱却や、クリーンエネルギーへの転換、再生可能エネルギーの使用割合の増加などが重要な要求事項となります。

 

  • 気候リスクの評価と対策
    気候変動によるリスク(物理的リスクや移行リスク)の評価、及びそれに対応するための戦略的な計画策定と実施が求められます。

 

  • 持続可能なサプライチェーン管理
    サプライヤーにも同様の環境基準を求めるなど、サプライチェーン全体で気候変動への取り組みを強化する方策が含まれます。

 

  • 透明性のある情報開示と報告
    気候変動への取り組みや成果、リスク管理の状況を定期的に公開し、ステークホルダーとの信頼関係を構築することが期待されます。

 

  • 適応策の実施
    気候変動による影響に対する耐性(レジリエンス)を高めるため、事業継続計画やインフラの強化、地域社会との連携などの適応策が求められる場合もあります。

 

これらの要求事項は、顧客、投資家、従業員、地域社会、そして規制当局など、様々な利害関係者がそれぞれの視点から求めるものであり、組織が持続可能な経営を実現するための重要な要素となります。

 

 

ステークホルダーの声と気候変動対応:持続可能な未来への統合戦略

 

 

このように、利害関係者のニーズと期待を正確に理解し、特に気候変動に関する要求事項に対して具体的かつ戦略的に対応することは、組織が持続可能な発展を遂げるための基盤となります。

 

 

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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