令和グループ(ISOコンサルティング)

中小企業におけるISOスリム化・シンプル化の進め方

中小企業におけるISOスリム化・シンプル化の進め方

 

1. はじめに

 

ISOを導入したものの「文書が多すぎて管理できない」「審査のためだけの仕組みになっている」と悩む中小企業は少なくありません。特に人員不足の中小企業では、ISOが“負担”として扱われがちです。

 

そこで注目されているのが 「ISOスリム化」や「ISOシンプル化」 です。ISO9001をはじめとした認証を、中小企業でも無理なく運用し、経営改善に活かす方法として効果的です。

 

本記事では、ISO9001運用改善を実現する具体的ステップを解説します。

 

 

2. スリム化・シンプル化の基本的な考え方

 

ISOスリム化の目的は、単に文書を減らすことではありません。

  • 規格要求を満たすことと、
  • 経営改善に役立つこと

この両立が重要です。

 

過剰なマニュアルや形骸化した記録は、審査対応の手間を増やすだけで現場には役立ちません。逆に、必要最小限で使える仕組みに整理することで、ISOが本来の「経営のツール」として機能するようになります。

 

 

3. 現状の見える化から始める

 

最初のステップは、現状の仕組みを棚卸しすることです。

  • どの文書や記録が存在するかをリスト化
  • 実際に使われているものと形骸化しているものを分類
  • 重複や無駄な記録を削除

これにより、改善の方向性が明確になります。

 

現行文書の棚卸しフロー

 

 

4. 経営と直結させる

 

ISOを「認証維持の仕組み」として扱うのではなく、経営の仕組みに統合する発想が必要です。

  • 経営課題(品質・納期・コスト・顧客満足)とISO要求を結びつける
  • ISO会議を「経営会議」「営業会議」と一体化させる
  • KPI(クレーム件数・納期遵守率など)をISOの成果指標とする

 

つまり、普段の業務にISOを統合することで、ISOは自然に日常業務の一部となり、“使える仕組み”として機能します。

 

普段の業務にISOを統合するイメージ図

 

 

5. 文書・記録の最適化

 

ISO文書は多ければよいわけではありません。中小企業が実践すべきは 「シンプルな仕組み」 です。

  • マニュアルや規程は簡潔にまとめる
  • 既存の業務文書(作業指示書・工程表など)をISO文書に転用
  • Excelやクラウドを活用し、紙記録を最小化

これにより、ISO専用の二重管理を解消し、業務効率も改善されます。

 

BeforeAfter図

 

 

6. 人材と教育の工夫

 

ISO教育は「全員に専門知識を詰め込む」必要はありません。

  • 役割ごとに必要な範囲だけ教育する
  • 教育方法は「OJT+簡易資料」で実務直結
  • 内部監査員は“現場を理解している人”を中心に育成

これにより、教育負担を最小化しつつ、ISOコンサルタントに頼らなくても現場が自走できる体制が作れます。

 

 

7. 継続改善のポイント

 

ISOの肝は「継続的改善」です。しかし大げさに構える必要はありません。

  • 年1回の見直し会議(マネジメントレビュー)で十分
  • 改善は「小さく、すぐできること」から進める
  • 判断基準は「業務に役立っているかどうか」

 

 

PDCAサイクル

 

 

8. 専門家・コンサルタントの活用

 

自力でのスリム化に限界を感じたら、ISOコンサルタントを活用するのも選択肢です。

  • 初期設計段階で支援を受けると、その後の運用が楽になる
  • サンプル文書を押し付けるのではなく、自社業務に合わせてもらうことが重要
  • 無料の「一日診断」を利用すれば、現状の課題を客観的に把握可能

 

中小企業にとっては、コストを抑えつつISO運用改善を加速できる方法となります。

 

 

9. まとめ

 

ISOスリム化・シンプル化は、省力化のためだけではありません。

 

ISOを経営に統合し、中小企業でも“使える仕組み”に変えることが本当の目的です。

  • 文書や記録は必要最小限に
  • 業務とISOを一本化
  • 改善は小さく早く
  • 必要に応じてコンサルタントを活用

 

これらを実践すれば、ISOは「コスト」ではなく「利益を生む仕組み」へと変わります。

 

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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