令和グループ(ISOコンサルティング)

ISO14001:2026で最初に迷う瞬間―4.1「組織を取り巻く状況」は、どこまで見直すべきか?―

 

 

はじめに|4.1で立ち止まるのは、正しいことです

 

ISO14001:2026への対応を考え始めたとき、多くの組織が最初に直面するのは
「何から手を付けるべきか分からない」という、判断に迷う瞬間です。
この記事では、規格の細かい解説ではなく、その“迷い”が生まれる理由と、考え方の整理の仕方を共有します。

 

ISO14001:2026への対応を考え始めたとき、
多くの方が最初に手が止まるのが 4.1「組織を取り巻く状況」 です。

 

特に、すでにISO14001を運用していて、
「2015年版の整理はあるけれど、このままでいいのだろうか」
「大きく作り直す必要があるのか?」
と感じている方にとって、4.1は判断に迷いやすい箇条です。

 

実は4.1は、
最初の箇条でありながら、その後の対応全体の“かじ取り”を決める入口
ここでどこまでを見るかを決めないまま進むと、
6章以降で迷いが増えてしまいます。

 

 

たとえば、こんな場面で迷っていませんか?

 

たとえば、こんな状況を想像してみてください。

 

ISO14001:2026の情報を集める中で、
「4.1では“環境状態”を考える必要があるらしい」と知った。

 

ただ、自社に当てはめようとすると、

  • 2015年版のときに作った外部・内部の課題一覧はある
  • これを全部作り直す必要があるのか分からない
  • 正直、どこまでやれば十分なのか判断がつかない

そんな状態で、資料作成の手が止まってしまう——。

 

この「止まってしまう瞬間」こそが、
**ISO14001:2026で多くの組織が最初に迎える「判断に迷う瞬間」**です。

 

 

4.1には、実は3つの向き合い方があります

 

4.1への対応に、ひとつの正解はありません。
大きく分けると、次の3つの向き合い方があります。

  • A:2015年版の整理をベースに、そのまま使う
  • B:環境状況の変化だけを補足する
  • C:今後を見据えて、考え方から整理し直す

 

どれを選んでも構いません。
重要なのは、「いまの自社にはどれが合うか」を考えたうえで選んでいることです。

 

 

4.1は「新しい要求」ではなく、「重み」が変わりました

 

ISO14001:2026では、4.1という箇条番号自体は変わっていません。
ただし、考え方の“重み”は確実に変わっています。

 

ポイントは、
組織を取り巻く状況を考える際に、「環境状態」という視点が、より強く意識されるようになったことです。

 

ここでいう環境状態とは、

  • いま実際に起きている変化
  • これから起こりそうな変化

を含めて、
「自社のEMSに影響しそうな状況」を捉えることを意味します。

 

4.1は単なる前置きではなく、
その後のリスクと機会(6.1)や環境目標(6.2)の前提条件になっています。

 

 

4.1で、やりすぎないことも大切です

 

4.1で注意したいのは、
調査や分析をやりすぎてしまうことです。

  • 情報を集めすぎて、整理が終わらない
  • 外部環境を網羅しようとして、現場とかみ合わなくなる
  • 分析そのものが目的になってしまう

こうなると、EMSは一気に重くなります。

 

4.1は、
すべてを洗い出す場ではなく、方向性を定める場です。

 

 

4.1は「これからどうしたいか」を考えてよい箇条です

 

4.1で考える「環境状態」は、
現在の状況だけに限る必要はありません。

  • 近い将来、影響が出そうなこと
  • 中長期的に無視できない変化
  • 組織として、どう向き合いたいか

 

こうした視点を含めて整理して構いません。

ここで方向性を持たずに進むほうが、後で苦しくなります。

 

4.1は、
組織の今後数年を見据えた、かじ取りの入口なのです。

 

 

中小企業が4.1で整理しやすい考え方

 

中小企業の場合、
次の順番で考えると無理がありません。

  1. すでに影響が出ていること
  2. 近い将来、影響が出そうなこと
  3. 方向性として無視できないこと

 

すべてを一度に扱う必要はありません。
「今回はここまで」「次は6章で扱う」
そう決めること自体が、立派な判断です。

 

 

4.1に“正解”はありません

 

審査で本当に問われるのは、
最新の言葉を使っているかどうかではありません。

  • なぜ、この範囲にしたのか
  • なぜ、今はここまでにしたのか
  • なぜ、次は別の箇条で扱うのか

 

その判断を、自分たちの言葉で説明できるかどうかです。

4.1は、一度決めて終わりではありません。
状況の変化に応じて、見直しながら使っていくものです。

 

 

おわりに|4.1は、最初の一歩です

 

この記事では、ISO14001:2026への対応を考え始めたときに、多くの組織が最初に迷いやすいポイントを整理してきました。
重要なのは、最初から正解を探そうとしないことです。

 

ここで整理した考え方を踏まえ、
「自社では何を、どこまで検討すればよいのか」を一度立ち止まって確認したい場合は、
ISO14001:2026対応の初期整理に特化したスタートパッケージという選択肢もあります。

 

※この4.1で整理した考え方は、
その後の リスクと機会(6.1)/資源(7.1)/運用管理(8.1)
自然につながっていきます。

 

🔙 シリーズ全体の考え方はこちら

ISO14001:2026で実務判断に迷いやすいポイントを、

規格解釈ではなく「自社の仕組みにどう落とし込むか」という視点で整理しています。

▶ 判断に迷う瞬間|ISO14001:2026 実務判断の考え方(ハブページ)

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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