令和グループ(ISOコンサルティング)

判断に迷う瞬間|6.1再整理― 環境状態をどうリスク評価へ結びつけるか? ―

判断に迷う瞬間|6.1再整理― 環境状態をどうリスク評価へ結びつけるか? ―

 

 

ISO14001:2026改訂では、環境状態(environmental conditions)とリスク・機会の結び付きが、これまで以上に重要視されています。
しかし実務では次のような迷いがよく生じます。

  • 環境状態は情報収集だけでよいのか?
  • リスク評価へどう落とし込めばよいのか?
  • 気候変動や生物多様性など、どこまで扱えばよいのか?

今回は、この「6.1の再整理ポイント」を実務視点で整理します。

 

 

■ なぜ今「6.1再整理」が必要なのか

 

ISO14001:2015では、

  • 環境側面
  • 順守義務
  • リスク及び機会

を整理すれば運用できていました。

 

しかし2026改訂では、

👉 環境状態の変化を踏まえたリスク認識
👉 将来視点のマネジメント判断

が求められる方向です。

 

つまり、

外部環境の変化 → 自社への影響 → 経営判断

という流れが明確に求められています。

 

 

■ 環境状態からリスクへ結びつける考え方

 

ポイントはシンプルです。

 

① 環境状態を把握する

例:

  • 気候変動(猛暑・豪雨など)
  • 生物多様性の変化
  • 天然資源の利用可能性
  • 汚染レベルの地域動向

ここは「情報収集」でOKです。

 

 

② 自社との接点を考える

ここで止まる企業が多いですが重要なのは次です。

例:

  • 原材料調達への影響は?
  • 設備稼働への影響は?
  • 地域社会との関係は?

👉 自社との接点を具体化すること。

 

 

③ リスク・機会として整理する

例えば:

気候変動

  • リスク:電力コスト増、操業停止
  • 機会:省エネ設備導入、顧客評価向上

生物多様性

  • リスク:開発規制強化、地域説明責任
  • 機会:環境配慮企業としての信頼向上

ここまで整理すると、6.1の意味が明確になります。

 

 

■ 実務でよくある誤解

 

❌ 環境状態=環境側面ではない

これは別概念です。

  • 環境側面 → 自社活動起点
  • 環境状態 → 外部環境起点

ここを混同すると整理が難しくなります。

 

❌ 「結論が出ていないから書けない」は不要

ISOは結論よりも、

👉 認識しているか
👉 検討しているか

を見ています。

途中段階でも十分意味があります。

 

 

■ 中小企業での現実的な進め方

 

おすすめは次の3ステップです。

① 主要テーマだけ押さえる
(気候変動・資源・汚染など)

② 自社との接点を書き出す

③ リスク/機会として仮整理する

これだけでも審査・実務ともに十分有効です。

 

 

■ まとめ(実務ポイント)

 

✔ 環境状態は情報収集だけで終わらせない
✔ 自社との接点を具体化する
✔ リスク・機会として仮整理する
✔ 完璧を求めず段階的に整理する

 

 

🔙 シリーズ全体の考え方はこちら

ISO14001:2026で実務判断に迷いやすいポイントを、

規格解釈ではなく「自社の仕組みにどう落とし込むか」という視点で整理しています。

判断に迷う瞬間|ISO14001:2026 実務判断の考え方(ハブページ)

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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