7.1~7.3(資源・力量・認識)―判断に迷う瞬間|7章―EMSは“人と資源”をどこまで要求するか?―

ISO14001の7章は、環境マネジメントシステム(EMS)を支える基盤部分です。
とくに「資源(7.1)」「力量(7.2)」「認識(7.3)」は、
👉 どこまでやれば十分なのか
👉 過剰対応になっていないか
という判断に迷うことが多い領域です。
ISO14001:2026改訂でも、気候変動や環境状態への対応を進める中で、
人材・知識・設備などの確保の重要性がより現実的に問われる場面が増えています。
■よくある「判断に迷う瞬間」
●資源はどこまで確保すべきか?(7.1)
例えば:
- 環境測定機器の更新は必要か?
- 外部専門家を活用すべきか?
- 教育や情報収集の予算はどこまで必要か?
ISOは「十分な資源」を求めていますが、
過剰投資までは要求していません。
判断の基本は:
✔ リスクの大きさ
✔ 法令順守への影響
✔ 取引先要求
✔ 将来の環境変化への備え
つまり、
👉 “必要十分”の見極めが重要です。
●力量は資格・教育だけで証明できるか?(7.2)
ここも誤解が多いポイントです。
ISOは:
- 必ず資格を取ること
- 形式的な研修実施
を求めているわけではありません。
むしろ重要なのは:
✔ 業務に必要な知識・技能があるか
✔ 実務で活かされているか
✔ 不足があれば補う仕組みがあるか
例えば製造業なら:
- 排水管理担当の実務経験
- 設備点検のノウハウ
- 法規制理解
などが該当します。
👉 “できること”が証明できればOKです。
●従業員の認識はどこまで必要?(7.3)
ここも審査でよく質問されます。
全社員がISO条文を理解する必要はありません。
重要なのは:
✔ 自社の環境方針を理解している
✔ 自分の業務と環境影響の関係を知っている
✔ 問題発生時の行動を理解している
つまり、
👉 実務に必要な認識レベルで十分です。
■ISO14001:2026改訂との関係
今回の改訂では:
- 気候変動
- 生物多様性
- 資源利用
- 汚染レベル
といった環境状態への対応がより明確になります。
その結果:
👉 必要な力量や知識の範囲が広がる可能性があります。
ただし、
全てを自社で抱える必要はありません。
例えば:
- 外部専門家の活用
- 業界団体情報の利用
- シンプルな教育体制
でも十分対応可能です。
■実務的な判断ポイント(おすすめ整理)
✔ 資源
- 法令順守に直結するか
- 環境事故リスクに関係するか
- 将来要求に備える必要があるか
✔ 力量
- 業務遂行に必要か
- 経験で補えるか
- 外部支援で対応可能か
✔ 認識
- 自分の業務への影響を理解しているか
- 緊急時対応が分かっているか
■まとめ|EMSは「過不足ない基盤づくり」
7章は派手ではありませんが、
EMSの安定運用に直結する重要部分です。
ISOが求めているのは:
👉 過剰な仕組みではなく、実務に根ざした基盤
です。
特に中小企業では:
- 無理のない教育
- 必要十分な設備
- 現場で活きる認識づくり
が、結果的に最も効果的です。
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ISO14001:2026で実務判断に迷いやすいポイントを、
規格解釈ではなく「自社の仕組みにどう落とし込むか」という視点で整理しています。
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