令和グループ(ISOコンサルティング)

ISO14001:2026規格改訂「汚染レベル」で悩まないために― 中小製造業が押さえるべき判断ポイントと注意点 ―

ISO14001:2026規格改訂「汚染レベル」で悩まないために

 

 

はじめに

 

ISO14001:2026の改訂内容の中で、新たに目にするようになった「汚染レベル」という言葉に対し、
中小製造業の現場からは、次のような声をよく耳にします。

  • 結局、何をどこまで整理すればよいのか分からない
  • 今の環境影響評価のやり方で足りているのか不安
  • 審査で説明できるか心配になる

 

「汚染レベル」は、これまでの環境マネジメントの考え方を大きく変える概念ではありませんが、
捉え方を誤ると、評価方法や書類を複雑にしてしまいがちです。

この記事では、悩みやすいポイントを整理し、判断の軸を持つための考え方を解説します。

 

 

1.「汚染レベル」で悩みやすい理由

 

1.1 抽象的な言葉でイメージしにくい

「汚染レベル」という言葉は、数値や明確な基準が示されているわけではありません。
そのため、
「レベル分けしなければならないのではないか」
「新しい評価表が必要なのではないか」
と考えてしまうことがあります。

 

1.2 環境影響評価と重ねて考えてしまう

これまで行ってきた「環境影響評価」と似た言葉であるため、
同じものなのか、別の整理が必要なのか分からず、混乱が生じやすくなります。

 

 

2.環境側面評価の実態と「汚染レベル」の関係

 

審査の場では、環境側面一覧表において
「発生頻度」「影響の大きさ」「管理状況」などを点数化し、
掛け算や足し算によって総合点を算出して評価している組織をよく見かけます。

 

こうした評価は、一定の基準に基づいて整理されたものですが、
環境会議で最終決定するにあたっては、参加者が内容を確認し、
実態に照らして点数を修正するなどしながら、総合的に判断しているケースも多くあります。

 

つまり、数値はあくまで判断の目安として用いられており、
最終的な重要度は、
「自社にとって影響はどの程度か」
「現在の管理で十分といえるか」
といった点を関係者で協議したうえで決定されています。

 

「汚染レベル」を考える際も、
こうした協議を通じた判断の積み重ねをどのように整理しているかが、
実務上の出発点になります。

 

 

3.「汚染レベル」を考えるための基本的な判断ポイント

 

3.1 影響の大きさ・広がり

  • 影響は敷地内に限定されるか、外部に及ぶ可能性があるか
  • 一時的なものか、継続的なものか

 

3.2 発生頻度と管理状況

  • 日常的に発生しているか、異常時のみか
  • 管理手順や点検が定着しているか

 

3.3 法規制や社会的影響

  • 法規制の対象となっているか
  • 苦情や事故につながる可能性があるか

 

これらをすべて数値で表す必要はありません
重要なのは、影響の重さをどう考えたのかを説明できることです。

 

 

4.やり過ぎないための注意点

 

4.1 点数化・数値化にこだわり過ぎない

点数を細かく設定しても、
その意味を説明できなければ実務には活かせません。

 

 

4.2 新しい帳票を増やさない

 

「汚染レベル対応」のために、
必ずしも新しい一覧表や評価表を作成する必要はありません。
既存の環境影響評価の整理を活かすことが現実的です。

 

4.3 現場が理解できる整理にする

現場の実態と合わない評価方法は、
形だけの運用になりがちです。
協議しながら判断している実態を、無理のない形で整理することが重要です。

 

 

5.既存の仕組みをどう活かすか

 

多くの中小製造業では、すでに環境側面評価や環境会議の仕組みがあります。

「汚染レベル」は、
その中で影響の重さをどう考えたかを補足する視点として位置づけるだけでも十分です。

  • 判断理由を簡単に言葉で残す
  • 重要とした理由を会議記録に反映する

 

こうした対応でも、実務としては成立します。

 

 

まとめ

 

「汚染レベル」は、
評価方法や書類を複雑にするための概念ではありません。

 

大切なのは、

  • 影響の重さをどう考えたのか
  • 組織としてどう判断したのか

を、無理のない形で整理していることです。

中小製造業にとっては、
シンプルで実態に合った整理こそが、最も現実的な対応と言えるでしょう。

 

 

汚染レベル対応の全体像を整理する

本記事で扱った内容を踏まえ、ISO14001:2026改訂で注目される「汚染レベル」について、中小製造業が実務で押さえておきたい考え方や整理の全体像を、以下のハブページでまとめています。

ISO14001:2026改訂で注目される「汚染レベル」対応ハブ― 中小製造業が“環境影響の重さ”を無理なく整理するために ―

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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