ISO14001要求事項「7.3 認識」って何?~中小企業でもできる実践的なポイントと事例で解説~
「ISO14001を導入したけれど、現場ではあまり浸透していない…」
「環境への取り組みが“お題目”になってしまっている…」
そんな声をよく聞きます。
それはもしかすると、「7.3 認識」の取り組みが足りていないからかもしれません。
この記事では、ISO14001の「7.3 認識」の内容と、中小企業でもできる具体的な対応方法をわかりやすく解説します。
◆「7.3 認識」とは?
簡単に言えば、
従業員が「自分の仕事が環境に与える影響」を理解し、自分ごととして捉えている状態をつくること。
です。
ISO14001では、従業員が以下の4つを理解していることが求められています。
従業員が「知っておくべき4つのこと」
- 自分の仕事が、環境にどんな影響を与えるか(または与える可能性があるか)
- 環境マネジメントシステムに、自分の行動がどう関係しているか
- 環境パフォーマンス(環境への取組成果)を改善することのメリット
- 環境要求を守らなかった場合の影響(自分や会社にどんなリスクがあるか)
これらを「知っておいてね」と言うだけでは不十分。
現場の人たちが“腹落ち”して、実際の行動に結びついていることがポイントです。
◆【事例】金属加工工場での取り組み
長野県のある中小企業(金属加工業)では、「7.3 認識」の実践を次のように進めました。
✅ 1. 作業内容と環境へのつながりを伝える
- 切削油の処理:
→「フィルターを交換しないと、油がそのまま排水に流れ、河川を汚す可能性がある」と説明。
- 金属くずの処理:
→「分別ミスがあるとリサイクルできず、すべて産廃扱いになってしまう。結果的に処理コストが増える」と具体的に説明。
✅ 2. 定期的な環境教育の実施
- 「うちの会社の環境目標は○○、今はここまで進んでいる」と数値と一緒に伝える。
- 「行政指導を受けた会社の事例」を紹介し、違反時のリスクも共有。
✅ 3. 声を聞く・気づきを促す
- 作業者に「気づいたこと」や「改善できそうなこと」を聞く場を設ける。
- 「こうすれば無駄が減る」という小さな改善案も環境パフォーマンスとして評価。
◆ 実際に得られた効果
この会社では、以下のような変化がありました。
- 廃油の漏れや処理ミスがゼロに
- 廃棄物のリサイクル率が向上
- 従業員からの改善提案が増加
- 環境監査でも「現場の認識が高い」と高評価
◆ まとめ:「認識」は教育ではなく、“意識づくり”
ISO14001の7.3「認識」は、単なる教育ではありません。
大事なのは、現場で働く人たちが“自分の仕事が環境にどう関わるか”を実感しているかどうかです。
そのためには、
- 日常の作業との関係性をわかりやすく伝える
- “なぜそれが大事か”を納得感のある形で説明する
- 声を聞き、行動を変えるきっかけをつくる
このような取り組みの積み重ねが、環境パフォーマンスの向上につながっていきます。
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