ISO14001要求事項「7.4 コミュニケーション」とは?社内外への伝え方で、環境の取り組みは変わる!

ISO14001の認証を目指している企業の方にとって、「7.4 コミュニケーション」という項目は、一見すると曖昧に見えるかもしれません。
しかし、この「伝えること」をおろそかにすると、せっかくの環境への取り組みが社内に浸透せず、社外からも理解されない――そんな残念な結果になりかねません。
この記事では、「7.4 コミュニケーション」で求められる内容をわかりやすく解説し、実際の中小企業の事例も交えながら、どう対応すれば良いかをお伝えします。
そもそも「コミュニケーション」とは、何をすること?
ISO14001の中での「コミュニケーション」は、ただ情報を発信するだけではありません。
社内・社外に対して、適切な情報を、適切な方法で、タイミングよく伝えることが求められます。
具体的には、次の4つの視点が大切です。
①【誰に伝えるか?】
- 社内(現場スタッフ、管理職、新入社員など)
- 社外(顧客、取引先、行政、地域住民、関係団体など)
②【何を伝えるか?】
- 環境方針や目標
- 環境に関するルールや手順
- 法令・規制の変更点
- 緊急時の対応方法
- 外部からの問い合わせや苦情への対応内容 など
③【どのように伝えるか?】
- 社内:朝礼、掲示板、メール、作業マニュアル、社内SNS
- 社外:ホームページ、CSRレポート、掲示板、住民説明会など
④【いつ、どれくらいの頻度で?】
- 月1回の定例報告
- 法令改正時の即時通知
- 環境目標の進捗に応じたタイミングで報告 など
【事例紹介】金属加工業・A社の取り組み
従業員約50名のA社では、地域との関係性を重視し、次のような社内外のコミュニケーション活動を行っています。
- 社内向けの例
- 朝礼で毎月、環境目標の進捗や廃棄物分別の注意点を共有
- 工場の掲示板に緊急連絡フローと避難経路の図を掲示
- 新入社員研修で環境方針と行動ルールを説明
- 社外向けの例
- 年に1回、地域住民に向けた「環境取組み報告書」を配布
- 苦情が入った際は、社内で原因調査 → 対策検討 → 回答文書の作成までを記録
このように、「伝える」だけでなく、「聞く」しくみ(フィードバック)も整備しておくことで、信頼性のある環境活動に発展しています。
ポイントは「一方通行ではなく、双方向」
ISO14001では、社外とのコミュニケーションで**「外部の意見を受け取る体制」も重要**とされています。
たとえば、
- お問い合わせ窓口の整備
- 苦情・要望の記録簿の運用
- 地域説明会での質疑応答
- 対応策を文書化して、再発防止につなげる など
これらは単なる「報告」ではなく、外部との信頼構築にも直結する要素です。
規格の要求を満たすには?
ISO14001では、次の点がきちんと整理されていることが求められます。
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要求事項 |
対応すべきこと |
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コミュニケーションに関するプロセスを決める |
「誰に・何を・どう伝えるか」を決める |
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社内外への情報提供と受領 |
外部からの意見も受け入れる体制を整備 |
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コミュニケーション内容の文書化 |
方針、ルール、報告書、記録簿などを残す |
まとめ:伝えることは、行動を変える力になる
「7.4 コミュニケーション」は、単なる情報伝達ではありません。
環境方針を**「全員の行動」に落とし込む第一歩**です。
- 社員が環境ルールを理解して行動できる
- 地域や取引先からの信頼が高まる
- トラブル時にもスムーズに対応できる
これらの効果は、適切なコミュニケーション体制があってこそ実現できるのです。
無理せず始めるには?
小規模な企業でも、まずは「誰に何を伝えるか」を整理し、紙1枚のシンプルな計画書を作るところから始めてみてください。
ご希望があれば、無料の一日診断でもアドバイス可能です。
経験豊富なコンサルタントが、現場に合った伝え方を一緒に考えます。
お気軽にお問い合わせください。

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