ISO14001の狙いとは?環境と経営を両立させる仕組みをわかりやすく解説
地球環境への配慮は、もはや大企業だけの課題ではありません。中小企業でも環境への責任を求められる時代となり、その対応策として注目されているのが「ISO14001(環境マネジメントシステム)」です。
今回は、ISO14001の序文にある「0.2 環境マネジメントシステムの狙い」について、分かりやすく、事例を交えながらやさしく解説します。
■ そもそも「環境マネジメントシステム」とは?
環境マネジメントシステム(Environmental Management System:EMS)とは、会社が自然環境に配慮しながら、日々の事業を進めていくための仕組みのことです。
ISO14001では、「地球に優しい会社経営を、計画的・継続的に行う」ためのルールや考え方が定められています。
■ 環境マネジメントシステムの3つの狙い
ISO14001が目指すゴールは大きく分けて3つあります。
① 環境への悪影響を減らす
会社の活動が、空気や水、土などに与える影響をできるだけ小さくすることが求められます。
▼事例:
- 製造工場が排水処理設備を導入して、きれいな水だけを川に流す。
- 社用車を電気自動車やハイブリッド車に切り替えて、二酸化炭素の排出を減らす。
② 環境リスクに備える
災害や事故などによって環境に悪影響を与えてしまわないよう、あらかじめ備えることも大切です。
▼事例:
- 有害な薬品を保管する棚を耐震仕様にして、地震時の流出を防止。
- 豪雨時に工場の排水が外部に流れないよう、排水弁を強化。
③ チャンスを活かして企業価値を高める
単に環境への悪影響を減らすだけでなく、環境に配慮した活動を通じて企業のイメージアップや新しいビジネスチャンスの創出を狙うことも可能です。
▼事例:
- 環境配慮型商品の開発により、新しい市場に参入できた。
- ISO14001の認証を取得し、大手企業との取引条件をクリア。
■ EMSは「改善のしくみ」
ISO14001は、一度マニュアルを作ったら終わりではありません。
「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(点検)→ Act(改善)」というPDCAサイクルを回し続けることで、少しずつでも継続的に良くしていくことが求められます。
たとえば、
- 環境に関する目標を毎年立てる(例:電力消費を5%削減)
- 目標達成のための取組を実行する(例:LED照明への切り替え)
- 取り組みの成果を測定し、うまくいっていない部分を見直す
といった「地に足のついた改善活動」が中心となります。
■ まとめ:ISO14001で“地球にやさしい会社づくり”を
ISO14001の狙いは、単なる環境対策にとどまらず、「経営と環境のバランス」をとることです。
特に最近では、ESG経営(環境・社会・ガバナンス)やSDGsといったキーワードも注目されており、環境配慮型の企業活動はますます重要になっています。
環境への取り組みは、コストではなく投資です。ISO14001の導入を通じて、持続可能で信頼される企業づくりを一歩ずつ進めていきましょう。
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