令和グループ(ISOコンサルティング)

ISO9001コンサルタントの視点による“ISO9001”序文(一般、品質マネジメントの原則)のわかり易い解説

ISO9001コンサルタントの視点による“ISO9001”序文(一般、品質マネジメントの原則)のわかり易い解説

 

箇条0 序文

 

ISO90001規格の序文は、次の4項目で構成されています。

 

この箇条を正しく理解することで、品質マネジメントシステム(QMS)の本質を理解し、効果的な運用につなげることができます。

 

箇条0 序文

0.1

一般

0.2

品質マネジメントの原則

0.3

プロセスアプローチ

0.3.1

一般

0.3.2

PDCAサイクル

0.3.3

リスクに基づく考え方

0.4

他のマネジメントシステム規格との関係

 

 

0.1 一般

 

このセクションでは、品質マネジメントシステムの導入目的や、その実施によるメリット、そして規格が意図してはいない事項について説明されています。

 

ISO9001は、組織の品質マネジメントシステムの構造を統一したり、規格の箇条と一致させたり、規格の用語をそのまま使用することを求めているわけではありません。(注:このパラグラフは、上の”規格が意図していないこと”の説明です。)

 

多くの品質マニュアルは、規格の用語や箇条をそのまま採用されるケースがありますが、組織の実態に合わせて、なじみのある用語で作成することも可能です。

 

また、品質マネジメントシステムの要求事項に加え、組織全体の運営・管理に活用することを狙い、「業務マニュアル」や「経営マニュアル」など、“組織の用語を使用して作成したマネジメントシステム”として活用している事例もあります。

 

 

0.2 品質マネジメントの原則

 

ISO9001の基盤となる「品質マネジメントの7原則」について説明するセクションです。
JIS Q 9000:2015に基づき、以下の7つの原則が規定されています。

 

 

原則

概要

① 顧客重視

顧客満足を最優先し、継続的に品質向上を図り成功につなげる

② リーダーシップ

経営トップが品質マネジメントを主導する

③ 人々の積極的参加

従業員全員が品質向上に関与する

④ プロセスアプローチ

組織の活動業務を「プロセス」として管理する

⑤ 改善

継続的な改善を行い、組織の成長を促進するパフォーマンスを高める

⑥ 客観的事実に基づく意思決定

データを活用し、論理的な判断を行う事実やデータを分析し、根拠のある意思決定を行う

⑦ 関係性管理

取引先やパートナーとの関係を強化する

 

この7原則は、箇条4以降の要求事項にも反映されています。

 

 

 

この記事を書いた人

野田博

早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

この著者の記事一覧

コメントは受け付けていません。

メールフォームよりお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら お問い合わせはこちら arrow_right
PAGE TOP