令和グループ(ISOコンサルティング)

社員がついてこれるISO教育|中小企業の巻き込み方とは?〜やらされ感ゼロ!現場が自ら動き出す仕掛けと工夫〜

 

ISO教育って、どうしたら効果が出るのでしょうか?

中小製造業でも実践できるISO教育の工夫について一緒に考えてゆきましょう。

 

 

「ISOって、結局一部の人しか動いていない…」

 

ISO9001を導入してしばらく経つけれど、

  • 「現場の社員がまったく協力してくれない」
  • 「教育は形だけで、実際には誰も覚えていない」
  • 「記録を書いてって言っても、嫌がられてしまう」

 

このような悩みを抱えている中小企業は少なくありません。

 

ISOの教育というと、「規格の説明」や「手順の周知」などを思い浮かべるかもしれませんが、
本当に大切なのは、社員が納得して、自分ごととして動ける状態”をつくることです。

 

この記事では、中小製造業でも実践できるISO教育の工夫を紹介します。

 

 

1.    なぜ社員はISOに消極的なのか?

 

ISOの教育に対して社員が非協力的になる理由は、次のような“心理的な壁”にあります。

 

❌ 難しそう、面倒くさそう

「ISO=細かいルール、面倒な記録」というイメージが先行し、構えられてしまう。

 

❌ 自分の仕事とのつながりが見えない

「自分には関係ない」「品質は上の人が考えること」と思われている。

 

❌ 言われたからやってるだけ

理解も納得もなく、「とにかく書いて」と言われるだけではやる気は生まれません。

 

▶ つまり、ISOの教育で大切なのは、「覚えさせること」ではなく、
「なぜやるのか?」を自分の仕事に結びつけて“納得”してもらうことなのです。

 

 

2. 教育の目的は“理解”より“納得”

 

ISO教育というと、規格の条文や仕組みの説明をきちんと行うことが重要だと思われがちですが、
社員にとって大切なのは「ISOとは何か」よりも、「自分の仕事とどう関係があるのか」です。

 

🌱 たとえばこんなふうに伝える

  • 「この点検記録は、製品にミスが起きないようにするためのものだよ」
  • 「この作業手順書があれば、新人も同じ品質で作れるようになるんだ」
  • 「このクレーム記録は、次に同じことが起きないように活かせるんだよ」

 

▶ “「面倒くさい作業」ではなく、「自分たちの仕事をラクにする道具」”として認識してもらうことがカギです。

 

 

3. 中小企業でもできる!ISO教育の3つの実践アイデア

 

✅ ① ISOを“業務の一部”として説明する

  • 形式や条文の話よりも、日々の作業との関連を重視
  • 「品質=会社を守ること」「手順=自分の身を守ること」など、自分ごと化する言い回し

 

✅ ② “5分教育”をこまめに積み重ねる

  • 朝礼や現場ミーティングなどで、紙1枚・口頭5分の簡易教育
  • 図や写真を使って視覚的に伝えると理解度がぐっと上がる
  • 「教育=年1回の座学」という固定観念を崩す

 

✅ ③ 「説明できる人」を増やす

  • 新人教育で「先輩社員が説明する」仕組みにする
  • 自分が教える側になると、内容が自然に身につく
  • OJT記録などを活用して、教える”ことを教育にする

✅ 教えることは最大の学び。
現場に“教えられる人”を増やすと、仕組みが自走し始めます。

 

 

4. 教育を「運用の一部」にするコツ

 

📚 教育記録は“証拠”ではなく“見える化”のツール

  • 「やったことを記録する」だけではなく、
     → 何を学び、何が変わったかを簡単にメモする形式がおすすめ

 

🔁 教育は“年1回”ではなく“日常化”が理想

  • 日々の作業指導、朝礼、声かけ…すべてが教育の機会
  • 「ISO教育」というラベルにこだわらず、日常の中でISOを伝える

 

🌟「できたこと・変わったこと」を共有する

  • クレームが減った/記録が増えた/新人がミスしなくなった
    → 小さな成功をチームで共有することがモチベーションにつながる

 

 

5. 導入事例:製造業A社でのISO教育の工夫

 

従業員15名の部品加工業。
導入当初、ISOに対して「また書類が増えるだけだろ」と反発がありましたが…

 

支援の中で行った工夫:

  • 朝礼で毎日1分だけ“ISOクイズ”を実施(○×形式)
  • 作業手順書を写真付きの「操作ガイド」に変更
  • 記録の意味を「お客様との約束」として説明
  • 社員が交代で「改善発表」を行うスタイルを導入

 

▶ 半年後には、「ISOって思ったよりわかりやすい」「書くことが面倒じゃなくなった」という声が増え、定着と自走の兆しが見え始めました。

 

 

まとめ:書かせるより、納得させる

 

ISO教育の目的は、“覚えさせること”ではなく“納得して動けるようにすること”。
社員にISOを押しつけるのではなく、自分の仕事とのつながりを実感してもらう工夫が必要です。

 

そのためには、日常の中でこまめに伝え、巻き込み、共有する。
中小企業でも無理なくできる“自然体の教育”こそが、ISO定着の近道です。

 

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やらされ感をなくすだけで、現場は自ら動き出す

 

ISO教育は「規格の説明」ではなく、「社員が納得して行動できる仕掛けづくり」が本質です。
中小企業では、難しい言葉や形式ばかりにとらわれず、業務とのつながりを意識した“伝え方”が重要です。
朝礼での5分教育、写真や図を使った資料、教える側に立たせる工夫など、日常に溶け込んだ教育スタイルで、社員の理解と協力を得ることができます。
やらされ感をなくし、自分ごととして動ける社員を増やすことで、ISOの定着と改善活動は自然と進み始めます。
小さな一歩の積み重ねが、強い組織をつくります。

 

 

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