ISO取得にかかる費用と期間|中小企業向けに徹底解説〜無理なく進めるために知っておきたい現実的な目安〜09
「ISOって、結局いくらかかるの?時間もかかりそうで不安…」
ISO9001の認証を検討している中小企業にとって、最も気になるのが、
費用と期間の現実的な目安ではないでしょうか。
- 「数百万円かかるんじゃないの?」
- 「1年もかける余裕はない…」
- 「人手も時間も足りない」
こうした不安を抱えたままだと、せっかくのチャンスを逃してしまいます。
この記事では、中小製造業が無理なくISOを取得するために、知っておきたい“費用と期間”の目安、内訳、抑えるコツまで、わかりやすく解説します。
1. ISO取得にかかる“3つのコスト”を知っておこう
ISO取得には、「お金」だけでなく、「人と時間」もかかります。
主に以下の3つのコストを意識しましょう。
✅ ① 外部費用(審査・支援)
- 審査機関に支払う登録費用
- コンサルタントへの支援費用(導入支援・文書作成指導など)
✅ ② 社内工数(人件費・時間)
- 担当者の時間
- 打合せ、教育、記録整備などへの工数
- 現場が一時的に作業時間を取られることも
✅ ③ 間接的な費用
- 印刷・教育資料・ファイル整備などの備品類
- 必要に応じての会議費用、クラウドシステム導入など
▶ 「目に見えるお金」だけでなく、「目に見えない社内負担」も含めて準備することが重要です。
2. 費用の目安はいくら?(従業員20名規模の中小製造業の場合)
実際にISO9001を新規取得する際にかかる費用の目安を、以下に整理しました。
費目 |
内容 |
相場(税抜) |
審査登録費用 |
審査機関に支払う登録料・審査料 |
約30万〜50万円/年 |
コンサル費用 |
支援会社や専門家への依頼料 |
約55万~85万円(6〜12ヶ月) |
社内準備費 |
教育・印刷・整備等の雑費 |
0〜30万円程度 |
💡補足:
- 初年度は、コンサル費用と審査費用が重なるため、総額80〜150万円前後が現実的なラインです。
- 継続後は、審査費用(年1回)+社内維持コストのみとなり、コストは安定化します。
3. 取得までの期間はどれくらい?標準スケジュールの目安
導入〜認証取得までは、通常6ヶ月〜12ヶ月程度を見込むのが一般的です。
ただし、次の条件が整っていれば、4ヶ月以内での取得も可能です。
- 社内体制が小規模で意思決定が早い
- 過去の仕組みや記録が活かせる
- コンサルと連携しながらスムーズに進行できる
📅 標準スケジュール(6ヶ月型の例)
月数 |
主な活動内容 |
1ヶ月目 |
現状把握・体制づくり・導入目的の共有 |
2〜3ヶ月目 |
文書整備・業務見直し・社内教育 |
4〜5ヶ月目 |
記録運用・内部監査・仕上げ作業 |
6ヶ月目 |
審査申請 → 審査対応 → 認証取得 |
📌 ポイント
- 「完全な仕組み」を目指すより、“まずは動かしてみる”ことが重要です。
- 不完全でも、審査を通すレベル+実務で使える仕組みがあれば十分です。
4. 費用と期間を抑えるための3つのコツ
✅ コツ①:完璧を目指さず、必要な範囲から始める
最初から全社一斉に厳格なルールを作ると、現場が疲弊します。
できるところから始めて、徐々に仕組みを育てていく発想が現実的です。
✅ コツ②:既存の資料やルールをうまく活用する
- 既にある帳票・作業指示書・日報などは、「ISO用」として整え直せば再利用可能
- ゼロから作るより、現場になじんだやり方を活かす方が定着しやすい
✅ コツ③:経験豊富な支援者を活用する
- 自社だけで進めると、迷いや手戻りで余計な時間とコストがかかる
- 製造業に特化したISO支援者と組むことで、短期間でスムーズに進められる
5. よくある質問(FAQ)
❓ 審査費用は毎年かかるの?
→ はい。登録後も維持審査(年1回程度)に対して費用が発生します。
年間30万円前後が目安です(会社規模や審査機関によって変動)。
❓ コンサルは必須ですか?
→ 必須ではありませんが、初めての導入にはおすすめです。
時間や手間、設計ミスによるやり直しを防げるため、トータルコストはむしろ抑えられる場合もあります。
❓ 小規模企業(10人未満)でもISOは取れますか?
→ もちろん可能です。
実際、製缶業・板金業・加工業などで5名以下の企業も取得しています。
まとめ:無理のない計画が、成功への第一歩
ISO取得には、確かに費用と時間がかかります。
しかし、「何のために導入するのか」「どこから始めるのか」が明確であれば、
中小企業でも十分に導入・運用・継続が可能です。
✅ 費用と期間の目安(従業員20名の製造業)
- 初年度費用:約80〜150万円(支援費+審査費+準備費)
- 取得までの期間:約6ヶ月~12か月
- 年間維持費:約30〜50万円程度
少しずつ準備を進め、自社に合った「使えるISO」を目指しましょう。
最初の一歩がスムーズに踏み出せるよう、適切な情報と支援体制を整えることが成功の鍵です。
📘 次に読むべき記事:
👉 《中小製造業のためのISO取得チェックリスト》
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ISO9001の取得には、審査費・支援費・社内対応など複数のコストがかかりますが、中小製造業でも約80〜150万円・6ヶ月~12か月の計画で無理なく進めることが可能です。
重要なのは「どこから始めるか」「何にコストをかけるか」を明確にすること。
既存資料の活用や経験豊富な支援者との連携により、費用と時間を最小限に抑えることができます。
導入を成功させるカギは、“完璧を求めず、まず動かす”こと。まずは全体像をつかむことから始めましょう。