令和グループ(ISOコンサルティング)

ISOスリム化・シンプル化の必要性|形だけの仕組みを脱却し、現場で使えるISOへ

ISOスリム化・シンプル化の必要性|形だけの仕組みを脱却し、現場で使えるISOへ

 

 

ISOが「負担」になっていませんか?

 

ISO9001やISO14001を導入したものの、こんな声をよく耳にします。

  • 「マニュアルが分厚すぎて誰も読まない」
  • 「記録ばかり増えて、本業に支障が出ている」
  • 「審査対応のときだけ慌てて準備している」

 

こうした状況は、ISOが「現場を改善する仕組み」ではなく「形だけの仕組み」になってしまっている典型例です。

 

そこで注目されるのが 「ISOスリム化」 です。

「ISOシンプル化」と似ていますが、スリム化は不要な文書や規程を削減して、できるだけ軽くするアプローチを意味します。

 

一方でシンプル化は、仕組みを分かりやすく整理し直すことに重点を置きます。
本記事では、両方を合わせて「現場で役立つISO」へ改善する方法を解説します。

 

👉 シンプル化をサービス面から知りたい方はISO9001シンプル化支援サービスのご紹介記事をご覧ください。

👉 既にISOをお持ちで「使いづらい」と感じている方はISO9001シンプル化の解説記事も参考になります。

 

 

形だけの仕組みになってしまうISOの典型例

 

「形だけの仕組み」とは、ISOの運用はされているが実際には役立っていない状態を指します。

 

具体的には:

  • ISOマニュアルや記録は揃っているが、現場で使われていない
  • 審査対応のために直前だけ記録を埋める
  • 担当者以外は仕組みを理解しておらず「ISOは負担」と感じている

 

つまり、**運用の形は保たれているが“何の役にも立っていない”**状態です。
これを防ぐには ISO文書の削減とシンプル化 が不可欠です。

 

 

文書や記録が多すぎることの問題点

 

「ISOマニュアルが分厚い」「規程が多すぎる」という状況は多くの中小企業に見られます。

  • 更新や保管に手間がかかり、担当者の負担が増える
  • 古い文書が放置され、現場の実態と乖離する
  • 社員は「審査用に書かされている」と感じてしまう

 

結果的に、「ISOは会社にとって何のメリットもない」と思われやすくなります。
このような「ISO文書の過多」は、**ISOマニュアル簡素化(スリム化・シンプル化)**で改善できます。

 

 

スリム化・シンプル化によって得られるメリット

 

文書や記録を整理してISO運用をスリム化・シンプル化すると、次の効果があります。

  • 社内の負担軽減:ISO文書削減で無駄な記録が減り、本業に集中できる
  • 現場で使いやすい:ISOマニュアルを簡素化すれば誰でも理解できる
  • 審査で評価されやすい:「実態重視」でISO審査員も納得しやすい
  • 経営ツールとして活用可能:ISOが改善や顧客満足につながる

 

つまり、ISOスリム化は単なる効率化ではなく、本来の目的に立ち返る方法です。

 

 

事例:100ページのISOマニュアルを3枚のフローチャートに整理

 

ある中小製造業(従業員50名)では、100ページに及ぶISO9001マニュアルを運用していました。

 

しかし現場では全く使われず、担当者が「更新作業のためだけの文書」と化していました。

 

改善の取り組み

  1. 現場ヒアリング
    • 本当に必要なのは「工程の流れ」「責任者」「記録の出し方」だけと判明。

 

  1. フローチャート化
    • 文書を削り、業務プロセスをA3のフローチャート3枚に集約。
    • 1枚目:営業〜受注〜設計
    • 2枚目:購買〜生産準備〜製造
    • 3枚目:検査〜出荷〜顧客対応

 

  1. 様式で補完
    • 詳細な規程は不要と判断。必要な情報はチェックリストや記録様式に埋め込み、担当だけが使用。

 

結果

  • ISOマニュアルが3枚に簡素化され、社員全員が業務フローを把握できるようになった
  • ISO審査員からも「実態に合ったシンプルな仕組み」と高評価
  • 文書管理工数が1/3に削減
  • 社員アンケートで「ISOが分かりやすくなった」と好評

 

この事例は、**「ISOマニュアル簡素化」「ISO文書削減」「ISOシンプル化」**の効果を端的に示しています。

 

文書の補完は必要か?詳細規程の扱い

 

「ISO規程は細かいルールまで残す必要があるのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

 

 

結論:ISO規程は必須ではない

 

ISO9001は「規程文書の数」を求めているわけではなく、業務が一貫して行えることを重視します。

 

  • 必要なケース
    • 法規制や顧客要求が厳しい業務(食品・医薬品など)
    • 複雑な業務フローで標準化しないと混乱する場合

 

  • 不要なケース
    • OJTや様式で十分に定着している業務
    • 審査用に形だけ残した規程

 

多くの中小企業にとっては、ISO規程を減らし、必要なものだけ残す=ISO文書削減が現実的です。

 

 

スリム化・シンプル化を進める基本アプローチ

 

  • 文書は「必要/不要」で仕分け → ISO文書削減
  • 記録は二重管理をやめ、Excelやシステムに一本化
  • 会議・教育は短時間で効果的に(OJTや朝礼活用)
  • 詳細規程は「ISO規程の必要性が高いものだけ」残す
  • 常に「現場で使われているか?」を基準に見直す

 

 

まとめ:ISOは「軽く・シンプルに」が定着のカギ

 

ISOの本来目的は「仕組みを通じて継続的に改善すること」です。
しかし、文書が多すぎると形だけの仕組みになり、改善どころか負担になってしまいます。

 

ISOスリム化・ISOシンプル化・ISOマニュアル簡素化・ISO文書削減を行うことで、
ISOは「分かりやすく・使いやすい仕組み」となり、経営や現場に役立つツールに変わります。

 

👉 詳しいサービス面はISO9001シンプル化支援サービスの記事

👉 さらに事例を知りたい方はISO9001シンプル化解説記事をご覧ください。

 

重要なのは「削ること自体が目的ではなく、価値を生む仕組みにすること」。
これを意識すれば、ISOは単なる負担ではなく、会社の成長を支えるシンプルな経営ツールとなります。

 

 

スリム化・シンプル化の第一歩は現状診断から

 

分厚いマニュアルや形だけの運用に悩んでいるなら、スリム化・シンプル化が有効です。
ただし「どこを減らすべきか」「何を残すべきか」の判断は、自社だけでは難しいこともあります。

そこでご活用いただきたいのが、無料の「一日診断」です。
現役審査員経験を持つコンサルタントが、御社のISOを客観的に診断し、最適な改善のヒントをお伝えします。

 

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    この記事を書いた人

    野田博

    早稲田大学理工学部卒。住友金属工業株式会社にて製鉄所および本社勤務を経て、関連会社の経営に携わる。ISOの分野では、JQAおよびASRにて主任審査員を歴任(現役)。JQAにおいては審査品質・実績が高く評価され、TOP5%審査員として表彰された実績を持つ。対応規格はISO9001、ISO14001。現在は中小企業を中心に、実務に即したシンプルなISO導入・運用支援を行っている。

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